元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

札幌国際日本語学院
420時間養成講座 口コミ

2015/11/13

総合評価  5.0

留学生のための空間で得た、知識と仲間

最も満足した点 即戦力となりうる知識を学べた
最も不満な点 求人情報の提供の少なさ
aisapo(女性・27歳)
年齢・職業 ※当時 20歳
スクール名 札幌国際日本語学院(札幌市)
期間 2010年4月~2010年9月 *6ヶ月 
受講料 合計 48万8200円
資格・課程 日本語教師養成講座420時間修了
講座を選びに重視したこと 価格・校舎や生徒の雰囲気

総合的な満足度は、満点です!価格や授業の質は言うまでもなく、特にその『環境』に非常に満足できました。

札幌国際日本語学院は、札幌市内でも地価の高い、山沿いの閑静な住宅街にある一棟建ての建物です。

ビルのワンフロアであったり、英会話スクールなどが併設されている学校が多い中、ラウンジや図書エリアのついた、日本語学習のためだけに構えられた校舎を持つ専門性の高い学校であり、「習い事」ではなく「学校」という雰囲気から、学ぶことに集中しやすい環境でした。

日本語教師養成科は、そんな日本語学習者向けの学校の一室で開講されています。教室を一歩出れば、建物は日本語学習者でいっぱい。卒業後、生徒となりうる学習者に囲まれた環境で生活することのできる、特別な環境でした。

年中行事やカルチャーイベント(書道・着付け・茶道など)などの外国人の生徒たち向けに開催するイベントで運営のアシスタントをしたり、講座の最終段階での模擬授業も実際の生徒さんたちに協力していただけるなど、授業以外でも文化的な交流から、日本語教育を多角的に見ることができる環境です。

そして教室の中では、全日制という過程ならではのクラスメイトとの良い人間関係にたくさん助けられました。

忙しく目が回りそうな学校生活の中で、知識の勉強や習得、模擬授業の準備などに追いかけ回されて逃げ出したくなるような時もありますが、年齢や人生経験も様々なクラスメイトたちからのアドバイスや励ましが、人間的な成長にもつながる環境でもありました。

個人的な事情から私は卒業後、日本語教育には携わりませんでした。

しかし、高等教育を卒業した後に、目的意識をもって学業に集中し、様々な文化の入り混じる中で言葉の壁を超えてのコミュニケーションを学び、人生経験豊富な仲間に恵まれたことが、その後の職業人生にダイレクトに良い影響を与えてくれていることは間違いありません。

この学校で学んで、本当に良かったと思っています。

Q:この養成講座を選んだ決め手は?

比較対象の学校と比べ、単に費用が安かったため、この学校が候補にあがりました。ただ、見学に行って、次の3つのポイントが決め手となり、即日入学を決めました。

1つ目は立地。学校は札幌の中心部から地下鉄で3駅、駅からも徒歩15分程と、多少の時間はかかりましたが、苦にならない程度でしたし、山に程近い閑静な住宅街に位置するため、登下校時、また、校舎からも四季折々の景色を望むことが出来る最高のロケーションでした。

2つ目は生徒の雰囲気。札幌国際日本語学院は、その名の通りメインは日本語学校のため、校内は日本語を学んでいる外国人の生徒さんで溢れています。

様々な文化や言語が織りなす独特の雰囲気から、より実践に近い環境で様々なことを学べると肌で感じました。

そして最後は全日制・半年間で卒業できるというカリキュラム。短大を卒業し、資格をとってから社会に出ようとしていた私にとって、短期集中で学べるスケジュールというのは大変な魅力でした。

また、習い事ではなく、学校という感覚で学べる全日制の過程では、毎日、ほとんどの時間を一緒に過ごすつながりの深い仲間もできるとお話いただいたことも魅力と感じました。

以上の3点が決め手となり、私はこちらの学校に入学しました。

Q:他のスクールと比較・検討しましたか?

まず、一緒に学ぶ仲間がいる環境ということに重きを置いていたので、通信講座は検討しませんでした。

そのうえで、札幌で、通学で学べる学校は3校あり、そのうち2校で比較・検討をしました。実際に入学を決めた「札幌国際日本語学院」と「ヒューマンアカデミー札幌校」です。

まず、初めから検討しなかったのは「IAY日本語教師養成講座」。IAYは英会話スクールも運営しているスクールですが、英会話スクールの方であまりいい噂を聞かないため検討外でした。

「ヒューマンアカデミー札幌校」は実際にスクールまで足を運び話を聞きました。しかし、案内してくれたのは、おそらく営業の女性の方。授業内容などは資料に書いている程度のことのみ説明し、すぐにお金の話になりました。

「○回の分割だと、利息○%でお支払いが可能で、○回だと…」という感じ。その場での決断までほのめかされ、最終的に持って帰ってこられた資料は分割払いの資料のみ。

せっかくのやる気も消えてなくなってしまいそうな経験をし、当然、こちらの学校は選びませんでした。

講師・カリキュラム  5.0

受講した曜日と時間帯 月曜日~金曜日 9:50~15:35
1日に受ける回数 1講座 50分×5回/日
1クラスの人数 13人

札幌国際日本語学院のカリキュラムは、非常に理論と実践のバランスの取れたものだと感じました。

理論系の授業でも、基礎知識はしっかり覚えさせることを軸にしたうえで、積極的に考えさせる、声を出させる授業構成という印象です。

テキストの殆どは講師の先生が作成してくださったもので、書き込みによって完成するものでした。一問一答式ではなく、答えが一つではないものに向かい合うことが多かったです。

まずは一人で考える。そのうえで自分の考えを書き込み、次にグループワーク、発表し合い、そこで聞いた仲間の答えも書き込んでいく。

その繰り返しで多角的に一つの課題を見ることが出来、非常に役立ちました。

例えば、自分が初めて「日本語の活用形」に向き合い、その法則を導き出したときの一連の流れが書き込まれたテキストが、教えるときのヒントになるなど、模擬授業を作る際にも、理論系のテキストを振り返る機会も多かったです。

講師の先生はみなさんベテランの方。養成課の授業の直前まで隣の教室で外国人の生徒さんに日本語を実際に教えている先生もいましたし、海外でも多くの経験を積まれた方々も多かったので、非常に信頼して授業を受けることができました。

経験のある先生たちと感じられていたため、理論・実践と分けることなく、どの先生にも質問をぶつけられる環境でした。

常駐ではない先生方も、メールアドレスを教えてくださり、「いつでも質問してくださいね」と繰り返しおっしゃってくださっていましたし、実際に質問をすると、1日とあかずにお返事をいただけました。

もっとも全日制の授業なので、授業と授業の間がさほど空かず、すぐにまた先生にお会いできますので、複雑な疑問などは直接する事も出来、さらにそれは皆でシェアして発展していく、とてもいい流れがカリキュラムの中に出来上がっていました。

そして、個人的に一番重視していた模擬授業に関しては、十二分に経験を積むことができました。

まず、数がとにかく多い。クラスメイト15名を3人ずつに分け、「みんなの日本語」という、市販でもっとも有名なテキストの1冊目のすべての項目を全員でやり切りました。

自分の担当分と仲間の模擬授業を見る分を併せ、相当な時間を実践に使うことができました。

チームで話し合い、分担して教材を作成し、練習し…先生たちは相談には乗ってくれましたが、基本は「やってみなさい」の姿勢。

私たちが授業を行ってみて、そのあと、養成課の生徒同士で良い点、悪い点を発表し合う。そして最後に先生から厳しいフィードバックを受ける。それを毎日、毎日繰り返しました。

焦点は行った授業へのフィードバックのように感じられますが、「次の担当分の授業を作りながら、別の授業をしていく」という精神的にも、時間的にも厳しい経験を積めたことも大きな糧になりました。

また、養成課の中での模擬授業の他、実際に学校に通っている生徒さんに協力してもらい、模擬授業を行う経験もできました。

私の場合は、通じない、反応が薄い、首を傾げられる、という素直に厳しい光景が目の前に広がりました。現実の厳しさをしっかりと見つめられたことは辛く、貴重な経験で、卒業までの数週間に本気で打ち込むこともできました。

総合して、半年間という長い期間一度も中だるみすることなく、全力で打ち込める緩急のあるカリキュラムと、信頼できる先生、積むことができた実践からの経験の多さのすべてに満足できる授業でした。

授業料  5.0

合計 48万8,200円
内訳
  • 入学金:0円
  • 授業料:46万2,800円
  • テキスト代:2万円
  • その他:5,400円

価格についても、非常に満足しています。

比較対象となる学校が他2校ですが、札幌の中ではトータルコストが最も安かったです。ホームページに、内訳が明瞭に内訳の掲載があり、納得できる内容でした。

通ってみてわかったことですが、テキスト代等を含め、途中で発生するような料金は一切ありませんでした。

しいて言うのであれば、模擬授業やチューターの授業で利用する教材の製作費用は自己負担でした。

各々捉え方はあると思いますが、個人的には、この負担分についても、実際に講師になってからのコスト管理の勉強にもなり、非常に良かった点だと思っています。

ヒューマンアカデミーと比較したのですが、ヒューマンアカデミーの方では利率の違う幾つかの分割方法を提示されました。

札幌国際日本語学院は、月々払い・一括払いの2種類のみですが、高利と感じるような話は一切なく、「商売」ではなく、「教育」という雰囲気を価格や支払いに関しても感じることができたことも、価格に対しての満足度を高めてくれたと感じています。

教材  5.0

7年経った今でもその全てを保管しているほど、テキストは使い込み、何度も見直した素晴らしいものです。

テキストはほぼ全てが先生の手作りのプリントで、授業の進度に合わせて配られました。

内容としては、その日のテーマや問いかけが並んでいるもので、授業の中で答えを考え、皆で共有し、回答を導いて書き込み完成するものでした。自ら完成させたテキストは宝物です。

市販のテキストも購入しましたが、それらは模擬授業に必要な、日本語学習者が使う「日本語のテキスト」で、実際に講師となってからも使うものでしたので、納得して購入できました。

その他、参考図書などもその授業ごとに紹介してもらえましたし、刊行日の古い書籍を格安で校内で販売してくれる機会もあり、経験の浅い私でも良いテキストを選ぶことができたので満足です。

スクールの運営スタッフ・サービス  5.0

欠席補講 補講はなし。質問には随時応じていただける環境。
DVDで代講 代講受講は不可。
自習室 自習室ではないが、図書・パソコンが常備されているラウンジ有り。留学生との共有スペースのため、席数は十分ではない。
交流会 年中行事、夏休みの日本文化紹介イベント、チューター、模擬授業。

入学前から卒業後まで、関わった全てのスタッフさんが親切・丁寧で、常に一抹の不安もなく、授業に集中することができました。

スタッフのみなさんは常に、日本語学習者である生徒たちと関わっているため、どんなイベントにも積極的ですし、私たち日本語教師養成科の生徒たちが文化的交流を望んでいることを非常に理解してくれていて、つねに声をかけてくださいました。

スタッフであり講師でもある方も数人いらっしゃったので、授業外で悩んだとき。

例えば、日本文化紹介の書道イベントでの進行を任されたときに、書いてもらう漢字を予め剪定しておくか悩んでいたのですが、あの時もラウンジで声をかけていただき、「生徒は好きな漢字を必ず持っているので、自由に書かせて、サポートする方が楽しんでもらえる」とサクッとアドバイスしてくださいました。

知識と経験からのアドバイスをいつでももらえる環境を作り出してくれていたスタッフさんたちには今でも感謝していますし、非常に満足しています。

就職サポート  3.0

求人情報の量 求人情報の提供はありませんでした。
進路相談 相談はいつでも可能。スタッフ、常駐の日本語教師のみなさん。

学校からの求人情報の提供や、面接対策・模擬授業の対策はありませんでしたので、その点ではサポートはゼロだったと言えます。

今はインターネットで情報収集が出来ますので、皆自分で求人情報を探し、めぼしいところを見つけては、自ら依頼する形式でサポートを得ていました。

クラスメイトの中には、主婦の方で、義務教育を受ける上で手伝いが必要な子供たちへのボランティアのために資格を取得している人から、卒業後すぐに海外に飛び、一生涯日本語教師として働きたいという人までいました。

それぞれが必要な情報は多岐にわたっていたので、それぞれが自ら情報収集して共有するスタイルが良く機能していたので、不自由はしませんでした。

スタッフ・先生たちに相談に行った際には、そのサポートは非常に厚く、経験談を多くお話いただけたのでリアルな情報を得ることはできました。

隣の教室で教えている講師の先生に話を聞けるというのは貴重だと思います。

札幌国際日本語学院には、海外での活動を経て日本に戻られた方が多かったので、授業内容やそれぞれの国での生活、シビアな金銭的事情まで話を聞かせてもらうことができました。

例えば、私は始め英語圏での就職を希望していましたが、日本語教師の給与・物価の面から、生活ができないだろう、経験なしでは求人もほぼなく、今渡航するのはおすすめしないとはっきり言われた時は衝撃でした。

経験がない状態であれば、韓国は就職しやすい国でしたが、当時20歳の若い私は、習い事の先生としては年功序列の文化から厳しいだろうという事実、ただ、食事や若者文化の点から生活はしやすいだろう、などという良い点・悪い点をお話いただくこともできました。

積極的な情報提供はないものの、知りたいことは掘り下げて掘り下げて知ることができる環境ではありました。

その他の質問

Q:どのようなきっかけで日本語教師養成講座420時間に通おうとしましたか?

日本語教師という仕事を意識した頃、私はまだ20歳でした。国立大学への受験に失敗し、経済的理由で浪人もできず、短期大学で学んでいた頃です。

強大な学歴コンプレックスの中で「1日でも早く人に憧れられるような仕事がしたい」と、そんな風に考えていました。

私の所属学科は英文学科。センター試験の英語は9割以上を得点し、英語を使った仕事がしたいと、漠然と思っていました。

でも実はできるのはお勉強英語だけで、英会話には自信がない。でも、英語に関わる仕事はしたい。そんな私の気持ちをなんとなく叶えてくれそうだったのが、外国人と日本語で関わる仕事である「日本語教師」でした。

半年で資格を得られること、自分で払える金額の学費であったこと、なにより海外で活躍することに直結するように見えた日本語教師という仕事に惹かれ、養成講座に通おうと決めました。

Q:日本語教師養成講座420時間を今検討している人に「養成講座の選び方」として どのようなアドバイスをしますか?

420時間を通い続けられるかどうか、その420時間を有意義な時間にできるかは全て環境次第なので、妥協せずにこだわるべきです。

私は、日本語学習者と常に触れ合える環境を重要視しましたが、それ以上に、一緒に学ぶ仲間がいるという環境がとにかく私を成長させてくれたと思っています。

私のクラスメイトは、お金を貯め会社を辞めて学校に通っていた、ひとまわりもふたまわりも年上の志の高い人生の先輩でした。

挨拶の仕方や礼儀、立ち居振る舞いから年中行儀などの日本文化、人間関係の構築や人生論まで、様々な経験を積んで集まった仲間に学んだことは、授業で学んだことにも引けを取りません。

模擬授業一つ作るにしても意見をぶつけ合い、やってみて失敗すれば、皆で反省して答えをだして、また和気藹々とスタートできる。

一人で頑張る時間も大切ですが、自分の知らない分野で、答えのない中で頑張り続けるのは非常に辛い。教室の雰囲気というのは一つ、最も大事なポイントとすべきです。

↑ ホームへ戻る

P C S P