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海外日本語教師経験談

ロシア 大学(2013年) 日本文化を伝えるのが一番のやりがい

👩 マトさん・ 31歳

総評

  • ロシア 大学
  • 雇用形態:派遣
  • 期間:0.6年 (2012~2013年) *退職
  • 月収:1万円 (3,000ルーブル) *なんとか生活できる
  • 勤務時間:1日7時間 週5日勤務 ※授業がない日もある。   *残業:残業なし

大学でロシア語を履修し、留学経験もあったことからいつかまた行きたいという思いがありました。卒業後の進学先として日本語教師の求人も探していたところ、たまたま求人を見つけ、応募したのがきっかけです。赴任地は多民族で、親切な人が多い地域でした。

様々な民族がいるので、アジア人だからという理由で差別される等、嫌な思いをすることはほとんどありませんでした。必要なものが手に入らず困るということもなく、過ごしやすい環境だったと思います。

受け持った学生はおよそ10名で、うち大学院生が2名です。日本語学科はなく、第二外国語として日本語を選んでいる学生達でした。現地人の日本語教師が初級文法を教え、私は主に会話、時にはビジネス日本語のクラスも持っていました。

日本から遠く離れており、特に町に日本人が多いというわけでもないのに、学生達は日本のアニメ、食文化、音楽などに関心が強く、例えば日本のポップミュージックを授業で聞いたり一緒に歌ったりすると大変喜ばれました。日本語を教えることに加えて、音楽や映画、昔話などを授業に取り入れるのが個人的に好きで、授業準備のモチベーションにつながったと思います。

平日は時期によりますが、5〜7コマを受け持ち、基本的に土日は休みでした。日本円に換算して1万円ほどの給料を受け取っていましたが、特に贅沢をしなければ生活していけると思います。物価も日本より低いため、自炊をすれば食費はそれほどかかりません。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

日本語教育の経験が少なかったため基本的な授業の流れや、よく使われる教材などの情報が不足していました。近くに気軽に相談できる日本語教師がいれば、どんな準備をすればよいか等のアドバイスを求めることができると思います。

しかし私の場合、周りにそのような教師がいなかったため、不安を感じながら日々取り組んでいました。

なぜこの大学を退職しましたか?

派遣期間が終了し、延長することなく帰国しました。教師によっては、もっと長く滞在したいという方もいらっしゃったようで、その場合は延長することができました。国内で日本語教師がしたいという人は帰国するなど、私も含め教師たちはそれぞれ今後どこで教えるかを考えながら取り組んでいたと思います。

給与

月収:1万円 (3,000ルーブル)
なんとか生活できる

物価が低く、特に公共交通機関、食品はかなり安いため受け取った給料で生活していくことができます。ただ、頻繁に外食したり、出かけたりする場合、人によっては少し厳しいと思います。ロシアでは教師の給料は平均よりも低いという話を現地の人から聞いたことがあるため、給料のことは最初からそれほど気にしていませんでした。

しかし、今回は住居や光熱費、電化製品等を派遣先が負担してくれました。もし個人で負担するとなると、自分のお金を持ち出すことになり、生活していくのは厳しくなるかもしれません。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:1万円

月収の内訳

  • 基本給:1万円

待遇

  • 現地語学レッスン受講

雇用形態

  • 派遣

勤務時間

  • 1日7時間 週5日勤務 ※授業がない日もある。   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 夏休み:約2ヶ月・冬休み:約1ヶ月

長期休暇中の給与保証

  • 長期休暇中は仕事をしていない

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

時期によって、1日に授業が全くない日もあったため少し退屈してしまう日もありました。長期休暇の期間に加え、空き教室がないなどのトラブルがあった時は授業が行えなかったり、学生から大学のイベントで来週は授業がないと突然知らされる場合もありました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス2~8人

学習者層

  • 大学生

スケジュール

月~金
  • AM:現地語学レッスン受講(授業準備や授業がなく、出席できる時間帯に通う)
  • 1日に1~2コマ程度(90分授業)を担当(2コマの場合、中級前半と中級後半)
  • 教室が変更されたりなかったりするため、授業の時間は流動的
土・日 終日休みのため、予定がなければ授業の準備をするなどしていました。

ロシアで日本語を教える前に準備すべきだったことは?

実際の日本語の授業をもっと見学する機会があればよかったと思います。例えば上級のクラスは見たことがあるが、初級は見たことがないという場合は初級クラスをイメージしにくいと思います。

準備しておいて良かったことは、日本語教育と直接は関係ないのですが、現地語がある程度できたことで、全くできないで生活を始めるよりは楽だったと思います。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • みんなの教材サイト
    読解の教材、イラスト、文法の説明などいろいろなものが掲載されています。ダウロードし、そのまま授業で使えます。特に季節や日本文化ならではのイラストは、ネットで検索して探すよりも、教室で扱うのに適したイラストや写真が掲載されているのでとても活用できました。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この大学で働くきっかけ・決め手は?

ロシア語を勉強していて、滞在していた経験もあったのでいつかもう一度行きたいという思いがありました。卒業後の就職先を考える際日本語教師の求人も探していたところ、たまたま求人を見つけ、応募したのがきっかけです。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

なぜ日本語教師になろうと思ったか、今回の募集への志望動機は何か、等ごく基本的な内容でした。また、ロシアへの滞在経験がある人には、生活していく上でどんなことが大切と考えているか、という質問もありました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

日系企業が多く進出している、日本食レストランが多い、日本文化関連のイベントも多い、などの点から需要があると考えられます。一方、中には「日本語ができるロシア人を必要としているわけではない」と話す日系企業の方もおられるようです。

この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語教育を大学等で学んでいること、経験があることはもちろんのこと、現地語ができることはプラスに働くと思います。自分が生活していく上で楽になるだけではなく、現地の人も言葉ができることで心を開いてくれるという印象がありました。必ずしも堪能である必要はなく、日常会話程度ができれば十分だと思います。

現地では、現地の教師や職員の方々に自分の希望、何に困っているかを伝えられることが大切だと思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

国選びで重視した点

  • その国の母国語が得意

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 人気があり、一定数の学校で求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 学習者が学生

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

面接方法

  • 日本国内にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

英語が好きだったことがきっかけで、外国の人と関わる仕事、外国に行ける仕事がしたいという思いと、先生になりたいという思いがあり、日本語教師という仕事を見つけました。様々な国に訪れてみたいというのも、日本語教師になりたいという気持ちを後押ししました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

授業を始めて1日、2日では気づきませんが、2〜3ヶ月程度経つと学生の日本語の成長を感じることができます。

会話テストをやっている時に、数ヶ月前はそこまで話せなかったのにずいぶん成長したなと感じたり、時には自分の口癖が学生にうつってしまい、本当はよくないものの、正しく使えていると少し嬉しくなりました。そのような時、非常にこの仕事の喜びを感じますし、もっと上手に教えることができないだろうかと考え始め、仕事へのモチベーションにもつながります。

日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

あります。自分が教えることに集中できない環境で教えなければならなかったときです。例えば、勉強しない学生、欠席ばかりする学生に対する指導、事務仕事に追われてしまうような教育現場にいた時に、「辞めたい」と思ったことがあります。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

なるべく早い段階で、様々な日本語教育の現場に訪れ、実際に授業を見た方がいいと思います。その中で、自分はどこで、誰に、どんな環境の下で教える教師になりたいかということが固まってくると思います。

自分が学生だった頃、実際の現場を知らなすぎたため、いざ始めてみるとわからないことだらけで苦労しました。日本語教師の現場は、国内の日本語学校、地域のボランティア教室、大学の留学生別科、海外の教育機関など多種多様で、学生の特徴も様々です。まずそれを把握し、どこで教えたいのかを明確にすることが第一歩だと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

なるべく早い段階で、様々な日本語教育の現場に訪れ、実際に授業を見た方がいいと思います。その中で、自分はどこで、誰に、どんな環境の下で教える教師になりたいかということが固まってくると思います。

自分が学生だった頃、実際の現場を知らなすぎたため、いざ始めてみるとわからないことだらけで苦労しました。日本語教師の現場は、国内の日本語学校、地域のボランティア教室、大学の留学生別科、海外の教育機関など多種多様で、学生の特徴も様々です。まずそれを把握し、どこで教えたいのかを明確にすることが第一歩だと思います。

ロシアで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

必ずしもロシア語ができる必要はありませんが、少しでもできると現地の人に受け入れられやすくなるかと思います。日本語教育の勉強に加えて、少し語学を勉強し、現地の習慣や文化を把握されることをおすすめします。

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