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海外日本語教師経験談

ラトビア 中部 大学(2020年) 日本人があまりいない国

🧑 リミさん・ 35歳

総評

  • ラトビア 中部 大学
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間:3年 (2018~2020年) *退職
  • 月収:9万円 (700 EURO) *なんとか生活できる
  • 勤務時間:1日 6~8時間 週5日勤務   *残業:残業なし

私は知人の教師仲間を通して、ラトビアでの日本語教育のことを知り、ラトビアの某大学で日本語を教えることになりました。

まず、学生に関してですが、ラトビアの学生は、ラトビア語・ロシア語・英語を話すことができ、また多くの学生はドイツ語・スペイン語・フランス語などが話せました。これは非常に素晴らしい事だと思います。

日本語の立ち位置はというと、韓国語や中国語などと同じで、第3外国語として学んでいました。日本語を選んだ学生は、日本のアニメや漫画、また伝統的な日本文化に興味があり、いつも楽しそうに日本語を学んでいました。

学生たちが好む日本語の授業のスタイルは、少し受身な授業で、これはラトビアの中学・高校の教育が影響していると思われます。ラトビアは日本のように学歴社会ではなく、また経済的な問題で、残念ながら、大学を中退する学生も比較的多いです。ラトビアに来て、学生には本当に色々な状況があることを、知りました。

次に、日本語教師としての生活ですが、月曜日~金曜日、週に12コマ担当していました。あとは大学の業務(書類作成など)を空いている時間に行っていました。待遇面は、贅沢しなければ、生活はできると思います。

最後に、ラトビアには日本人(アジア人)があまりいないので、こちらの考えを相手に理解してもらう際、少し工夫しなければいけません。大切なことは、何事も、相手との信頼関係をしっかり作ってからです。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

作文の評価方法に関して、学生の理解が得られないことがよくありました。

学生の母語であるラトビア語やロシア語では、作文(小論文や論文等も含む)というものは、詩的な言葉や難しい言葉を使ったものが高く評価され、論理的な構造などは軽視される傾向があります。

つまり、日本語でいう序論・本論・結論のような概念を持っている学生が非常に少なく、作文の構造を評価する際、苦労しました。

なぜこの大学を退職しましたか?

退職した主な理由は、今後は日本で日本語教師としてキャリアを積みたかったので、次の職場は日本を考えました。

20代の頃は経験のため、海外の様々な教育機関で日本語を教えていましたが、30代になり将来のプランを考え始め、30代前半で日本に戻ろうと考えていました。

給与

月収:9万円 (700 EURO)
なんとか生活できる

贅沢をしなければ、現地で最低限の生活はできるくらいの待遇でした。

スーパーなどで働いている現地の方の待遇などと比べれば良いほうだと思いますが、やはり西ヨーロッパと比べると待遇面では大きく違うかと思います。

仕事のお給料だけで生活のやりくりをするとなると、アパートは比較的家賃が安いルームシェアになります。一人で住めるアパートだと、家賃は2倍近くになるので、仕事のお給料だけでは難しいかと思います。また、日本では当たり前の賞与ですが、残念ながらありません。

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給与

  • 月収:9万円

月収の内訳

  • 基本給:9万円

待遇

  • 有給
  • 健康診断
  • 現地語学レッスン受講

雇用形態

  • 専任講師 *正規雇用

勤務時間

  • 1日 6~8時間 週5日勤務   *残業 残業なし

学校が定める学生の長期休暇の有無

  • 冬休み:10日/夏休み:30日 

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

週に12コマと多いほうで、そこに大学の業務(書類関係)などが入ってくると、最初は自身の研究にあてる時間を確保できませんでした。その上、留学業務や大学のイベントなどと重なる月は、非常に忙しい日々を過ごしていました。

しかし、職場に慣れるに従って、要領よく仕事ができるようになったので、最終的には研究も同時並行で、行えるようになりました。

一番のポイントは、2年目からは昨年度の資料等が少し使えたので、授業準備にあてる時間が減りました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス10~25

学習者層

  • 大学生
  • 社会人

スケジュール

  • 月:10:00~16:00 中級2コマ 上級1コマ(休憩や授業準備時間も含む)
  • 火:13:00~17:00 初級2コマ(休憩や授業準備時間も含む)
  • 水:10:00~18:00 中級2コマ 上級1コマ(休憩や授業準備時間も含む)
  • 木:13:00~18:00 初級2コマ(休憩や授業準備時間も含む)
  • 金:13:00~17:00 上級2コマ(休憩や授業準備時間も含む)
  • 土:一日休めていました
  • 日:一日休めていました

ラトビアで日本語を教える前に準備すべきだったことは?

現地では日本語教育に関する本を購入できないので、日本でたくさん購入し、段ボールなどで事前に送っておけば良かった。現地にいて、amazonなどで購入することもできるが、郵便状況が良くないので、時間がかかったり、届かない場合もあります。

準備しておいて良かったことは、海外に渡る前に、事前に受け持つ予定の授業の準備をしておいたことです。向こうに着いてからは、ビザのことやアパートのことで忙しくなるため。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語の教案
    みんなの日本語に関するイラストなどが載っているので、20代前半の特に経験が浅いときに、参考にしました。また、導入例などもあるので、難しい文型を教える際には、非常に役に立つと思います。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この大学で働くきっかけ・決め手は?

知人の教師仲間から募集を聞き、面接などを経て、ラトビアで働くことになりました。私自身、日本語教育が盛んな国よりも、そうではない国のほうに興味があったことが、決め手となりました。

あと、前職のところを退職する時期と、ラトビアでの仕事を始める時期が近かったことも理由です。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

日系企業がほとんどない点から、ビジネスでの需要は少ないと思いますが、大学や語学学校などでの需要はコンスタントにあると思います。

しかし、現在は中国語の需要が伸びていているので、韓国語や日本語といったアジアの言語の立ち位置がどのように変わるのか、予測できない部分が多いです。

この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

職場でのコミュニケーションは英語が多いので、英語は話せるほうが良いと思います。生活においてはラトビア語やロシア語が話せると便利です。

これはラトビアに限ったことではないですが、海外で働く以上、異文化を積極的に理解しようとする姿勢はとても重要です。日本では、こうなのに、こうだから、といった考え方では難しいです。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

就職活動で有効な手段は?

  • 『Facebookグループ』
    国によっては、その国の日本語教育に関係するFacebookグループがある。

国選びで重視した点

  • 治安
  • 物価の安さ
  • 気候

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 一部に人気があり、数は少ないが求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 学習者が学生
  • 給与・待遇

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教育の修士課程修了

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

面接方法

  • skypeやzoomなどのインターネットツールを使用して面談

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

海外に語学留学をしたとき、現地の友だちに日本語を教えてほしいと言われ、日本語を教え始めたのがきっかけで日本語教師を目指し始めました。

日本語を教えるまでは、母語である日本語を深く考えることもなかったので、深く考え始めると、非常に面白く、それから日本語にハマってしまいました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

全く話せなかった学生が、少しずつ日本語を話せるようになっていくのを見ていると、教師として充実感があります。

また日本語というものを通し、日本の考え方や文化を学んだ学生が、物事を多角的に見られるようになったのを見て、全く違う言語を学ぶことは大事なんだなと思いました。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

まずは、日本語教育が学べる大学や大学院に行くのが良いと思います。その先、進む道にもよりますが、学歴は重要だと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

将来、どんな環境で日本語教師をするかにもよりますが、日本語学校や地域での日本語教育に携わりたいのであれば養成講座が良いと思います。将来、大学での勤務や研究者を考えているなら、大学院で勉強したほうがいいと思います。

ラトビアで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

日本人があまりいない環境で日本語を教えたいという方、自分で考え色々と作り出していける方、異文化をポジティブに楽しめる方は、ラトビアは良い選択肢かと思います。そのような方にとっては、非常に充実した時間が過ごせます。

また、一般的にラトビア人はパーソナルスペースが広いので、良い距離感を保ちながら、信頼関係を構築していくのが大切です。

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