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海外日本語教師経験談
トルコ 大学(2014年) 日々が感動の連続
👩 さちさんさん・ 28歳
総評
- トルコ 大学
- 期間:5年 (2008~2014年) *現在も勤務中
- 月収:12万3,500円 (2,500TL(トルコリラ)) *なんとか生活できる
トルコ人は日本語の学習が速いと思います。というのも、トルコ語は文法的に日本語と似ていて、語順は母語で考えたままを言えば、それなりの文ができます。だからこそ習得が速く、こちらが驚かされるような文を言ってくることがあり、日々が感動の連続です。
そんな彼らに対して、こちらもどれだけ興味のあるテーマを選び、総合的な力を伸ばしていくかということが難しく、試行錯誤しています。
また、リスニング能力が高く、日本人的に書いて覚えるというよりは、話して覚えていく傾向が高いのも面白いです。赴任当初よりも、現在は板書の数がかなり減りました。そういう小さな発見も含めて、とても面白く思います。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
特に言語面で苦労しました。大学内では英語が通じるので、問題ないと思っていましたが、事務の方や大学の周囲でのレストランやスーパーなどではまず英語が通じません。なので、簡単なことを伝えたいと思っていてもなかなか通じず、ストレスになることが多々ありました。
また、日本のようにシステマチックに動かない面もあり、事務の方に「この仕事をお願いします」と頼んでいても、信頼して放っておくと忘れ去られてしまう、といったこともよくありました。
その度に「この間頼んだ仕事はどうなってるの?」といちいち催促しなければならず(それも拙いトルコ語で)、精神的に非常にストレスを感じました。
授業形態やスケジュールの詳細を読む...
スケジュール
- 月:
- 火:
- 水:
- 木:
- 金:
- 土・日:
トルコで日本語を教える前に準備すべきだったことは?
上記の苦労した経験もあり、やはりトルコ語をもっと勉強しておくべきだったと思います。
行ってみないと英語がどれぐらい通じるかは分からないということはもちろんありますが、現地の言葉を話すことによって、相手がこちらに印象も非常に良くなりますし、親近感を覚えてもらうことができ、それによって仕事がスムーズに運ぶという利点もあります。
言語は一朝一夕で上手になるものではないので、やはり赴任前から時間をかけて学んでおくべきだったと思います。
就職活動
この大学で働くきっかけ・決め手は?
現在赴任している大学は、日本での大学在学中にいくつかの海外教育実習を行わせてもらった大学のうちの一つです。その時は約3週間の実習でしたが、その実習はかなり充実しており、実際の授業を現地講師の先生の代わりに持つというもので、実習終了後は非常に満足していました。
その時に日本語教師ってやっぱりいいなあ、と思っていたのですが、タイミング良く、実習を担当して下さった先生から当大学で募集があるということを教えていただき、応募して、着任が決まりました。
現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?
現在は大学で日本語、または日本文学などの学科や選択科目を開講している大学が増えており、そういった高等機関での需要が多いようです。また、社会人で興味がある人も多いので、語学学校で日本語を学びたい人も多く、その需要も高いです。
給料自体は高いとは決して言えないと思いますが、派遣先の機関によっては住居費等負担してくれるところもあるので、そうした場合は単身なら十分に生活ができるかと思います。
しかし派遣される場所によっては地域的に物価が高い場合もあるので、その場合はかなり節約しないと大変だという話も聞きます。
この大学で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
これは現在私が赴任している国だけではなく、どこの国で働くにしても必要なことだとは思いますが、まずは「現地を知る」ということです。
実際に、現地に住んでいるにも関わらず、自分は日本人であり、日本語教師だからという理由で「日本を振りかざす」タイプの日本語教師もいますが、そのような教師には学習者がついていきません。
まずは現地の文化や事情を理解し、認めた上で、「あなたの国ではこうですが、日本ではこうです」などのような話ができる教師が受け入れられやすいです。
ですから、現地の観光地や料理を食べること、ぶらぶらと散歩すること・・・など、現地の人に溶け込む生活ができる人が求められるのではないかと思います。
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
大学に入る時、何となく「海外でできるような仕事に就きたいな」という漠然とした思いで、日本語教育を専攻できる大学に入学しました。
その時は特に、絶対日本語教師になるという強い決意もありませんでしたが、大学で日本語教育を勉強いていくうちに、だんだんと面白くなってきたのですが、それでも本当に日本語教師になるかどうかを決めかねてはいました。
そんな時、大学在住中に海外での日本語教育実習に参加し、その時に初めて、海外で日本語を熱心に勉強して、何とかコミュニケーションを取ろうとしてくれる学習者の姿を目の当たりにし、やはり海外で日本語教師になろうと思うようになったのがきっかけだと言えます。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
授業をしていて、日本について興味を持っている人がさらにもっと知ろうとしてくれている姿を見た時、日本語教師をやっていてよかったと思います。
また、学習者がさらに他の友達にも「日本ってこんな国」「日本語、おもしろいよ!」と声をかけてくれ、だんだんと学習してくれる人の数が増えていくのも、本当に嬉しい時です。
個人的には、海外で日本語教師をしていることで、今まで触れたことのない文化にどっぷりと浸かって、日本や日本語についての再発見ができるというのも、この職業の特徴で、面白い所だと思います。
日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?
辞めたいというよりも、辞めた方がいいのではないかと思うことはよくあります。というのも、やはり日本語教師というのは日本人の代表で、海外の学習者には(特に現在私が勤めている地域では)他に日本人が少ないという状況で、本当に自分が日本人の代表とも言えるべき存在であれるかというプレッシャーが非常に重いからです。
自分の言動一つで学習者の学習意欲を削いでしまったり、逆にモチベーションを上げたりすることがあるというのが、かなり責任のある仕事だと思っています。そういった点で失敗してしまった時、日本語教師を辞めた方がいいのではないかと思ってしまいます。
トルコで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。
トルコは、アジアとヨーロッパにまたがる国で、文化も人々も多種多様です。私の友人知人で、旅行で来た人はほぼ100%「トルコっていい国だね」と言って帰る、魅力的な国だと言えると思います。
人懐っこく、学習者も先生に対していろいろな質問をしてきたり、何かのイベントがあれば先生であっても「一緒に行きましょう!」と誘ってくれる人が多いです。こういう時、それを社交辞令だと思ってはいけません。トルコで働きたい人は、身軽な人が絶対得をします!
社交辞令を、現実に変える力を身につけていれば、トルコでの生活は2倍楽しくなると思います。
今後どのような日本語教師になりたいですか?
現在は、現地日本人との交流を始め、学習者のモチベーションとなれるように、日本企業とのネットワークを広げたり、日本語教育発展のため、教師会などのミーティングを積極的に誘致するように努力しており、将来的にもそれをさらに広げていきたいと思っています。
いつまでこの国で日本語教師を続けるかは分かりませんが、なるべくいろいろな国に行ってその国の現場を見て、大きく言えば「その国や人のためになる日本語教育」ができるような教師になりたいと思っています。
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