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海外日本語教師経験談
インドネシア バリ島 日本語学校(2020年) 試験合格に向けて、毎日の授業が真剣勝負
👩 GURUにほんごさん・ 51歳
総評
- インドネシア バリ島 日本語学校
- 雇用形態:非常勤講師
- 期間:2年 (2018~2020年) *退職
- 月収:2万5,000円 (300万ルピア) *それだけでは生活は難しい
- 勤務時間:1日1コマ+90分 週3~5日勤務 *残業:残業なし
インドネシアで日本語を学ぶ生徒の中で、外国人技能実習生の候補者として学校に通っている数が増えています。特に、介護職を目指す実習生は「日本語能力試験N4」合格が最低条件となっているため、単なる日本語習得ではなく試験合格に向けた授業が求められています。
試験合格が彼らの実習生としての仕事に就けるか否かに大きく影響するため、試験の日程に合わせた対策を綿密に練り、個別指導によるケアや小テストや模擬試験の結果データをもとにきめ細かく授業計画を立てることが必要となります。
また、試験実施後の合格発表までの期間も無駄にできません。不合格の場合、すぐさま次の試験日程に向けて弱点補強の対策等への切替が求められるからです。
以上のように、非常に緊張感のある「進学予備校」的な授業は、講師も生徒も本気度が違います。講師同士の情報交換や生徒との個別面談など、密な情報共有の体制を作り維持していく工夫が求められます。
試験合格=今後数年間の金銭的問題に直結することを常に意識しながらの授業はある意味シビアですが、毎日が真剣勝負という面では非常にやりがいのある仕事です。
日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?
語彙の授業では、資料作りに苦労しました。
熱心な生徒は、授業当日までに語彙の意味を調べるなどの予習をします。しかし、インドネシアで使われている参考書は英語の解説が多く、英語の解釈によっては間違った意味をインプットしてしまうことがあります。スマホの翻訳ツールを使っても、なぜか間違った訳をしてしまうなど、不正確な予習に戸惑うことがありました。
そのため、予習の範囲を予めインドネシア語で解説した資料を作成する必要がありましたが、自分のコマ以外の範囲まで作成することになり、かなりのオーバーワークとなってしまうこともありました。
なぜこの日本語学校を退職しましたか?
仕事の内容等、何ら問題はなかったのですが、病気が見つかり手術をするために日本へ一時帰国することになりました。そのため、一旦、学校をやめることにしました。今後、日本での治療が終わりインドネシアへ戻ることになった際には、改めて仕事を続けさせてもらえるか相談したいと思います。
給与
それだけでは生活は難しい
インドネシアでの生活レベルは、本当にピンキリです。地元ローカルと同じレベルで暮らすか、外国人としての生活をするのかによって、数倍違ってくると言っても過言ではありません。
例えば、持ち家なのか借家なのかによっても生活費は異なります。私のように現地で結婚し、主人の実家で暮らすといった場合は食費と子の教育費程度を稼げばよいのですが、それでも月3万円では厳しいでしょう。やはり、夫の収入が安定していることが最低条件となります。
給与の詳細を読む...
給与
- 月収:2万5,000円
月収の内訳
- 1コマ90分:1,000円
待遇
- なし
雇用形態
- 非常勤講師
勤務時間
- 1日1コマ+90分 週3~5日勤務 *残業 残業なし
長期休暇中の給与保証
- 長期休暇がない
授業形態・勤務スケジュール
スケジュール管理で大変だったことは?
インドネシアは5つの宗教が認められ、それぞれの祭日や祝日が地域ごとに設定されています。年間計画として設定されている授業が、祝祭日がらみで連休扱いとなったり、生徒が遠方の実家に帰省しなかなか戻ってこないこともあります。
授業を計画しておいても、大幅にスケジュールが狂うことも少なくありません。そのために少し多く進んでおき、急な休みに備えるといった工夫をしなければならない点、難しい調整でありました。
授業形態やスケジュールの詳細を読む...
主なクラスの授業形態
- クラス授業 1クラス20人
学習者層
- 社会人
スケジュール
- 8:00~12:00 2コマ+準備&小テストの時間割の中で、1日1コマ程度担当(シフト制)
- 13:00~16:00 2コマ+準備&小テストの時間割の中で、1日1コマ程度担当(シフト制)
インドネシアで日本語を教える前に準備すべきだったことは?
インドネシアの書店では入手困難な辞書や参考書は、日本で用意していくことをお勧めします。特に、小学生用の「漢字辞典」はとても役に立ちました。漢字の成り立ちや意味について詳しく説明されており、図やイラストも豊富なので、漢字文化の無いインドネシア人が漢字に興味を持ち、学習意欲につなげることができる内容に溢れています。
教案作りで参考にしているサイトは?
- 『日本語教師のN1et』
解説の方法や例文を参考にしました。
教案作りで参考にしている書籍は?
- 『新完全マスター文法 日本語能力試験N3』
対象:
中級
例文や解説方法を参考にしました。
就職活動
この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?
外国人技能実習生を送り出す機関の代表の方と、共通の知り合いを通して、日本語教育や日本語能力試験対策について意見交換をする場があり、その話の中で、講師として協力してもらえないかとオファーされました。私自身の日本での教師経験に興味をもってもらったのかもしれません。
面接ではどのようなことを聞かれましたか?
知人の紹介で仕事をすることになり、面接らしい面接は行いませんでした。
使用する教材や小テストなどの実施について、他の講師と話し合った程度です。
授業の進度を記録する方法や、個別の生徒についての引継ぎ方法についても、どの講師が担当しても分かるフォームで記録することなどについて意見交換をしました。
現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?
現在、インドネシアからの外国人技能実習生の需要が高まっていると見られます。人口の多いインドネシアは安定した人材の供給が持続的に保たれると期待されています。また、真面目で素朴な国民性においても、日本で仕事をする上で非常に相性の良い国のひとつと認識されつつあります。
このことからも、人材送り出しの条件となる日本語教育の需要はますます増えるものと考えられると思います。
この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?
インドネシアで講師として働く場合は、はやり、公用語のインドネシア語を習得しておくことをお勧めします。日本語や英語のみでも授業は可能ですが、特に初級の生徒との学習では現地語も取り入れての授業が求められます。
インドネシア語の日常会話ができる程度まで練習しておき、日々の授業準備でレベルアップするとよいと思います。
国選びで重視した点
- 治安
- 物価の安さ
- その国の母国語が得意
現地における日本語教師の需要・将来性
- 一部に人気があり、数は少ないが求められている
就職 教育機関選びで特に重視した点
- 学校の規模
- 給与・待遇
- 通勤時間
応募時に必要とされた資格
- なし
就職 選考方法
- 紹介のため試験なし
面接方法
- 現地にて実施
日本語教師全般に関する質問
どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?
現在、インドネシアからの外国人技能実習生の需要が高まっていると見られます。人口の多いインドネシアは安定した人材の供給が持続的に保たれると期待されています。また、真面目で素朴な国民性においても、日本で仕事をする上で非常に相性の良い国のひとつと認識されつつあります。
このことからも、人材送り出しの条件となる日本語教育の需要はますます増えるものと考えられると思います。
「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?
知人の紹介で仕事をすることになり、面接らしい面接は行いませんでした。
使用する教材や小テストなどの実施について、他の講師と話し合った程度です。
授業の進度を記録する方法や、個別の生徒についての引継ぎ方法についても、どの講師が担当しても分かるフォームで記録することなどについて意見交換をしました。
学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。
日本語教師としてのライセンスとなる「養成講座」や「日本語学科卒業」などは、確実に取得しておくべきです。働きたい国がある場合は、その国の公用語を習得し能力試験にチャレンジしておくことも大きなアピールになります。働きたい国への観光旅行などで、現地の生活レベルを体感しておくことも、学生のうちにできる時間の有効活用です。
社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。
昨今の日本語教育熱により、高齢の方が日本語教育能力試験にチャレンジするといった話をよく耳にします。社会人としての経歴にもよりますが、全く畑違いの職歴を持った方も十分可能性がある仕事だと思います。直接日本語教育に携わったことの無い方は、ボランティア活動などを通じて、外国人への文化紹介などの経験をされることも、強いアピールとなるかと思います。
インドネシアで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。
インドネシアはとても温厚で、真面目な人が多い国です。日本で働きたい、日本で研修したいという若者は、日本人に大きな憧れを持っています。
日本語教師として接する時間、生徒たちは大きな興味を持って私達講師を一日本人代表として見ています。語彙や文法の説明として私たちが紹介する例文ひとつからも、彼らは日本の文化や風習、考え方を感じながら、日本の理解へ繋げようとしています。
言葉の習得だけではなく、日本の素晴らしさを伝える役目も大きい日本語教師はやりがいを実感できるかけがえのない仕事だと思います。そんな素晴らしい時間を共にできることに感謝し、毎日の授業に臨んでいかなければならないと思います。
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