掲載日:

海外日本語教師経験談

台湾 台北 企業(2018年) 日本が大好きな学生達に今の日本を教えられます

👩 緑茶ヤクルトさん・ 37歳

総評

  • 台湾 台北 企業
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間:6年 (2012~2018年) *現在も勤務中
  • 月収:12万円 (3万台湾ドル) *現地で生活をするのに十分
  • 勤務時間:1日平均3時間 週5日勤務   *残業:接待、通訳の仕事が入る時、トラブル発生した時のみ

台湾には、日本が大好きな人が沢山います。日本のドラマやアニメを見たり、年に何回も日本に旅行に出かけているので簡単な日本語が分かる人も多いです。子供に日本語を学ばせたい親御さんも多く、英語の次に学ぶ第二外国語は日本語であることが多いです。ニーズはあります。

台湾人は 今の時代に日本人が実際に使っている”生きた日本語”を使う機会が多いので、教科書に加えて 日本のドラマ・映画・チラシなども活用しています。海外にいながら自分も日本のリアルタイム情報を取り入れておく必要があります。日本国内の観光地など日本人の自分より詳しい生徒がいるので、教えてもらうこともあり、日本の良さに気付かされることもあります。

先生を友達に感じ、休日も旅行や食事に誘ってくれる生徒もいます。個人的に連絡先を交換したがる生徒も多いです。思いついた質問をすぐラインや電話でしてくるので、きちんと線を引かないと授業以外も日本語の質問に答える羽目になり、プライベートがなくなってしまう可能性には気を付けてください。

厚かましい生徒も多く、日本に旅行に行った友人が日本で病院にかかり、台湾で保険を申請するのに日本語の診断書を訳してほしいと頼まれたこともあります。他にも日本の旅行先でメニューの内容が分からないから、メニューを説明してほしいとライン電話がきたこともあります。

日本から買ってきた炊飯器の説明書を中国語にしてほしいと言われたこともあります。自分にとって生徒との程よい距離を保てるようになるには、何度かびっくりするような経験をし、苦労することになるかもしれません。

こんなにも親日で、日本語教師のニーズは高いにも関わらず、待遇は英語教師ほど良くありません。私の会社では、日本語教師と英語教師で最低時給だけでも1200円ほど違います。英語教師はクリスマス休暇があったり、長期休暇も最低1か月など保障されています。英語教師と給与・待遇を比較してしまうとガッカリしてしまうことでしょう。もし、台湾で稼ぎたかったら英語を教えたり、IT企業で働くほうが儲かります。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

台湾人は基本とても単純な国民です。熱しやすく、冷めやすい人が多いので、1回目の授業時には「日本語大好き」のハイテンションだったのが突然何の前触れもなく次の授業でいないということもあります。定期的に続けていたのに、急に飽きたのか、やめたりします。

最初は自分の教え方が悪かったのかと悩みましたが、また日本語をやりたいと思った時には何食わぬ顔で授業に戻ってくるので、教師の教え方が主な要因ではないと気付きました。

興味があればやる、なくなればやらないと正直な生徒が多いので、分かりやすいともいえます。

給与

月収:12万円 (3万台湾ドル)
現地で生活をするのに十分

現地特有の習慣・文化による「待遇」ですが、元旦ではなく旧正月にボーナス、有給が出ます。
また、ほかにも端午節、中秋節といった祝日に 現金やプレゼントを支給したり、食事をごちそうする企業が多いです。
忘年会で社員に食事を提供する会社も多いです。

台湾の医療費は日本とほぼ同じ水準なので安心して治療を受けられます。台湾で自費でかかった医療費が日本で健康保険を適用した医療費より安い、または同等ということがあります。台湾の健康保険があると、さらに安くなります。風邪をひいても150元(600円)ほどで薬代も込みで病院にかかることができます。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:12万円

月収の内訳

  • 基本給:時給で支給 1時間約2300円 ※距離により交通費が支給される

待遇

  • 残業代
  • 有給
  • 交通費
  • 健康保険
  • 健康診断
  • 賞与(勤務年数による 年間3万台湾ドル)

雇用形態

  • 専任講師 *正規雇用

勤務時間

  • 1日平均3時間 週5日勤務   *残業 接待、通訳の仕事が入る時、トラブル発生した時のみ

長期休暇中の給与保証

  • 給与保証がない
  • 長期休暇中は別の仕事をしている
  • 長期休暇中は別の仕事をしている

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

スケジュールが約半年に1回変更します。毎日、違う企業に派遣されるので、自宅からの行き方に慣れるまで大変です。また、毎回レベルの違うクラスを教えるので、準備に結構時間がかかります。

プリントやテストを作成する時間は、授業時間に入らないので時給が発生しません。

最初の1年間は教材作りやプリント準備に時間がかかりました。そこで、日頃使用する教材をひととおり揃えたあとは、教材ファイルを レベル別に分けて作成、管理しました。プリントやテストもワードやエクセルでパソコン管理にし、必要な時に印刷して使えるように整理してから、だいぶ準備にかかる時間が減り、業務が楽になりました。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス20人

学習者層

  • 社会人

スケジュール

月曜日
  • 9:00~18:00  勤務 午前中は会議 メールなど処理
  • 14:30~16:00  1コマ
火曜日
  • 9:00~18:00  勤務
  • 10:30~12:00  1コマ
  • 15:00~17:00  2コマ
水曜日
  • 9:00~18:00  勤務
  • 12:00~14:00  1コマ
  • 16:00~17:00  1コマ
木曜日
  • 9:00~18:00  勤務
  • 9:00~12:00  2コマ
  • 午後は事務作業か自宅作業
金曜日
  • 9:00~18:00  その時抱えているプロジェクト業務
休日:週末 祝日
基本休み。企業研修がある時など例外で出勤

台湾で日本語を教える前に準備すべきだったことは?

台湾人は日本に旅行や出張に出かける事が多いので、日本で物を買うことも多いです。日本現地でツアーやレンタカーをする人も多いので、日本からお店のチラシやレンタカーや旅行会社のパンフレットを持ってくれば良かったと思います。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • YAHOO JAPAN
    毎日のニュース記事をチェックし、気になるワードを授業に取り入れています。

就職活動

この企業で働くきっかけ・決め手は?

台湾のサイトで「1111人力銀行」という職探しサイトに登録し、自分の履歴書をのせたところ、いくつもの会社からオファーがきました。私は、英語と中国語のトリリンガルなので通訳会社や、一般の貿易会社などからもオファーがありました。

その中で、今働いている会社は雇用担当者が日本人の方だったので、日本人の常識が通じると見込み、就職を決めました。

面接ではどのようなことを聞かれましたか?

日本で働いた経験を聞かれました。働いた中で楽しかった経験と、仕事で直面したトラブルをどう解決したかプラスとマイナス両面を聞かれたように記憶しています。

なぜ台湾に住むことを決めたのかについても聞かれました。
台湾で生活している中で困ったことはあるかとも聞かれました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

台湾人は日本が大好きです。年間台湾から日本に出かける旅行者も大変多いです。日本のドラマやアニメも放映されているので、日本語を話せる台湾人も多いです。

日本語検定の資格が採用条件になっている企業も少なくないです。

この企業で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語を趣味感覚で楽しく学びたい生徒が多いので、ジョークや失敗談をおもしろおかしく話せる教師は人気です。日本だったら寒いかなと思うようなジョークでも台湾人にしたら面白いことが多いので、人から笑われるのを恥ずかしがらない度胸が必要です。

現地の言語が流ちょうに話せるほうが、信頼度が増し、より生徒に愛されると思います。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本村
    日本語教師、日本語教育関係の職に関する情報です。

就職活動で有効な手段は?

  • 『紹介』
    日本人だと分かった人から、働かないかと誘われることもある。

国選びで重視した点

  • 気候
  • 日本との距離

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 高い人気があり、多くの学校で求められている

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了
  • 日本語教育能力検定試験合格
  • 大学 日本語教育主・副専攻

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接

面接方法

  • 現地にて実施

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

自分が言語を学ぶのが大好きで、言語を学ぶのも、言語によって考え方・思考過程が異なるのが分かると楽しいので、自然と人に言語を教えるようになりました。

分からなかった人が分かると顔が輝くのを何度も見て、自然とやりがいを感じ、言語を教えるようになりました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

言語には文化が大きく反映しているのだなと気づかされます。例えば、日本語では誰かを誘う時に「一緒に東京タワーへ行きませんか?」と否定形を使用して誘いますが、台湾人にすればなぜ「行きますか?」と聞かないのか疑問に思うようです。

もう一つ例をあげるなら、お店で「チリソースはありませんか?」と聞いても失礼に値しませんが、台湾で「ありませんか?」と聞くと、「まさかチリソースないの?」という批判になるようです。このような違いに気付けるのは楽しいです。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語教師の資格があるかないかよりも人柄を見る企業のほうが多いです。

「半沢直樹」などの台詞で、「日本人は倍返しするんですか?」などの質問もされます。ぜひ、日本のドラマやアニメにも通じてほしいと思います。海外の友達を作って、実際に日本語を教えてみる実践を積むのも良いと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

社会経験があるからこそ、知っている豆知識やエピソードをお持ちだと思います。コールセンターのバイト経験で電話応対に「もしもし」ではなく「はい」と電話に出る事や、「えーえー」を連発して話を聞いていたなどの話をすごく楽しそうに聞いていました。

台湾の生徒は、教科書を自習するだけでは学べない日本語や日本の話が大好きです。日本では当たり前のことが台湾人にとっては珍しいことも多々あるので、そのような経験を積んでおくのは、将来、幅のある日本語教師になるのに大変良い訓練だと思います。どんな職業経験も無駄になりません。

台湾で日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

とにかく日本が大好きな国民です。日本語教師の需要も多いです。働いている日本人も多いので、会社に他の日本人先輩がいる確率も高いので安心です。

ただ、台湾人は単純な国民で、好き嫌いを遠慮なく出してくるので、人気のある教師とない教師がはっきり分かれてしまいます。日本語を正しく説明できる能力に加えて、冗談や面白いエピソードも蓄えて笑いのある授業ができるように日頃からアンテナを張っておくと良いと思います。

アジアの国・地域別 経験談

当サイト人気スクール 420時間養成講座