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日本語教師養成講座 420時間
一般財団法人 北國新聞文化センター文化庁届出受理講座 420時間 口コミ 公式サイト 座学と実践の授業バランスのよさが魅力
- 圧倒的な学習効果
- 教科書をもう少し厳選してほしかった
👩 Mさん・ 30歳・2023年修了
総合評価 5.0 ★★★★★
大学生の頃、フランス語とフランス文学を専門的に学び、在学中に1年間留学する機会に恵まれました。留学中、日本語を学ぶフランス人学生のクラスにボランティアとして参加したことをきっかけに、日本語教育に興味を強く抱くようになりました。また、1年間のフランス留学を経て、「フランスで働きたい」という思いも強く持ちました。この時から、フランスで働く手段として、日本語教師に憧れるようになりました。
現在の職場で働く前は、日本の大学院の修士課程に在籍していました。専門は日本語教育ではなくフランス文学です。大学院修了後にフランスの大学で日本語教師として働こうと決めて、大学院在学中にダブルスクールとして420時間養成講座を受けました。当初は日本語教育能力検定試験に合格すれば養成講座修了という肩書きは不要かとも思いました。ですが、合格してもどのように実際の教育現場で教えればいいか分からなかったことと、体系的に日本語教育について学びたいと思ったことから10ヶ月で完結する養成講座の受講を決めました。そして養成講座受講修了1年後、現在の職場に就職しました。
養成講座にはとても満足しています。圧倒的な学習効果を実感しているからです。通信ではダレることが容易に予想できたので、初めから通学のスクールにしようと決めていましたが、大正解でした。養成講座のカリキュラムは大きく3つ、理論、実践、実習に分類できますが、授業タイミングと授業の編成、量、いずれの観点からもバランスがよかったです。
理論の授業は、自身が言語習得や言語獲得に興味があることもあり、とにかく楽しくて仕方ありませんでした。実習を見据えた実践の授業は、これまで理論で習ったことを活かしつつ、来る実習に備えて教案を作ったり、受講者同士で学習者になりきってディスカッションしたり、通信では得られない通学ならではの学びや発見が数多くありました。実習の授業では、初級、中級、上級と学習者のレベル別に授業デザインを行い、講師陣からフィードバックをもらうことができました。養成講座受講者数が5名と少ない代でしたので、例年より多く4回実習(講師役)の機会が得られました。写真は実習2回目の様子で、中央で講師役として立っているのが私です。3人の留学生を招いて実習を行いました。このように、場面学習者役と講師役の両方を経験できたことは勿論、それぞれの立場から積極的に意見を出し合い、実際の授業のイメージを膨らませることができました。加えて、現役の日本語教師に教案や実習場面を見ていただき、学習者との関わり方、授業内における説明時間とアクティビティの時間のバランスなど、実際に授業をされているからこそのアドバイスをもらうことができました。この経験は現職での自分の授業デザインにかなり役立っていると実感しています。実際の授業準備で、実習時のような精密な教案を作成することはなくなりましたが、教案がなくてもタイムコントロールができるようになりましたし、授業の流れが把握できるようになりました。授業中のタイムマネジメント感覚やテンポ感は実習で身についたように感じています。また、学習者との関わり方について、学習対教師の関わりは十分取れているが、学習者同士のアクティビティが少ないと実習中に何度もアドバイスをいただいていたので、現職では学習者のアクティビティを多めにするように心がけています。
受講時は大学院生でしたので、受講料は高いと感じていました。ですが、日本語教育に必要な知識を体系的に効率よく学ぶことができ、結果的に養成講座修了後、同年の日本語教育能力検定試験に合格することもできました。また、実際の学習者を相手に教育実習を経験し、たくさんフィードバックをいただいた経験が、現職での授業実践に活かせていると感じています。授業全体の流れをどうするか、授業内でのタイムマネジメント、説明と学習者のアクティビティのバランスの取り方などです。
養成講座受講料に関しては、10万円の給付金が修了後支給されたこともあり、金額は妥当か、安い方だと感じています。関連して、購入指定教科書の中にはほとんど使用していないものもありました。そのため教科書をもう少し厳選してもらえれば初期費用もトータルコストも浮かせることができたと思うので、強いて言うならその点は不満です。
この養成講座を選んだ決め手は?
通信ではなく通学タイプの養成講座を探していました。当時私が住んでいた地域ではそこのスクールしかなく、他に選択肢がありませんでした。スクールは市内中心部にあり交通の便がよく、自宅からも通いやすかったため即決しました。他社の養成講座と比較検討は特にしませんでした。
講師・カリキュラム 5.0 ★★★★★
日本語教育を経験されている(あるいは前にされていた)先生がほとんどで、そうじゃない先生は大学で言語教育に携わっている先生でした。理論の授業でも実際の現場の話を聞かせてくださり、出席するのが楽しみな授業ばかりでした。例えば第二言語習得論の授業では、教科書に記載されているこれまでに生み出された様々な「アプローチ」をまず受講者全員で体験し、その後に講師がそのアプローチを実際の現場で試した時の成功事例あるいは失敗談を聞きました。ただ講師のエピソードを聞くよりも、自身が直前に経験した内容と比較できるため、理解が深まったように思います。
授業前後や休憩中にも快く質問に答えてくださりました。理論・実践・実習のバランスがよかったと記憶しています。時間割は理論:実践:実習=5:3:2くらいのバランスであったように思います。理論の授業でも実践の話を聞かせていただいたり、練習問題に取り組んだり、アクティビティを入れていただいたりと、一つの授業内でも理論・実践のバランスがよく、飽きずに楽しく学べました。実習は初級・中上級で分かれていて、学習者のレベルに応じた実習の体験をすることができ、実際の授業現場をイメージすることができました。総じて満足しています。
- 受講した曜日と時間帯: 平日の夜・土日の夜
- 1クラスの人数:5人
- 重視されていたカリキュラム: 全体的にバランスよく
授業料 4.0 ★★★★☆
合計:円
- 最終的な支払金額:約43万円
- 受講料 合計:定価 約53万円
- 割引額:給付金 10万円
- 入学金:500円
- 授業料:約50万円
- テキスト代:約3万円
受講時は大学院生でしたので、受講料はとても高く感じていました。ですが、日本語教育に必要な知識を体系的に効率よく学ぶことができ、結果的に養成講座修了後、同年の日本語教育能力検定試験に合格することもできました。また、実際の学習者を相手に教育実習を経験し、たくさんフィードバックをいただいた経験が、現職での授業実践に行かせていると感じています。ハローワークから10万円の給付金が修了後支給されたこともあり、金額は妥当か、安い方だと感じています。総じて、約53万円という金額だけみると高く感じますが、分割払いもできますし、該当すれば給付金ももらえますし、何より効率よく勉強ができるので満足しています。講師陣は大学の教授・日本語教育の専門家で、コーディネーターの先生は何年も日本語教師養成に携わっている方です。そのため、授業は学習効率がよくなるよう時間割が組まれています。加えて、現職の日本語教師が教案作成と実習を担当されるため、気をつけるべきポイントなどを教えていただけます。さらに、日本語教育能力検定試験対策にも精通している先生が試験対策を担当されているため、出題傾向や傾向の変化など毎年蓄積している情報を惜しみなく教えてくださいました。このように、ポイントを押さえながら学習ができるのでとても効率がいいと感じています。
教材 4.0 ★★★★☆
基本的には満足していますが、スライドと配布プリントだけで事足りる授業もあり、その授業の教科書を購入したのは不満でした。養成講座受講当時は大学院生で、お金に余裕がなく授業で必須扱いにせず、任意購入(=参考書扱い)にしてほしかったのですが、著作権の問題もあるため、教科書を購入する必要性はわかります。内容が分かりづらい、古すぎるということはありませんでした。全体的に満足しています。
スクールの運営スタッフ・サービス 5.0 ★★★★★
運営スタッフの方は本当に優しくて、対応も毎回丁寧でした。メールでも電話でも対面でもスムーズにコミュニケーションをとることができました。悪天候で急遽オンライン授業が決まった場合も迅速かつ的確にお知らせいただけましたし、オンライン授業が初めての受講者にもかなり親切に対応されていたように思います。講座を欠席した際は補講ではなく欠席分の資料をいただけました。自習室はありませんでしたが、教室の環境はよかったと記憶しています。明るさ、空調、清潔さなどが行き届いていましたし、プロジェクターなど必要な設備もありました。ただ、Wi-Fiはなく、教案作成をする時間や調べ物をする時間は困りました。
- 欠席補講:欠席したら授業で使用したプリントをもらいました。補講はありませんでした。
- 自習室:自習室はありませんでした。
- 交流会:実習時に留学生が参加してくれたので、休憩中や実習終わりに交流することができました。
就職サポート 3.0 ★★★☆☆
提携している日本語学校の方が学校説明に来られたことが一度だけありました。それ以外は求人に関する情報や、進路相談などはありませんでした。地域柄、ボランティアとして日本語教育に携わりたいという思いから受講している方が多いためかもしれません。もし日本語教師志望の場合は求人情報の少なさや、面接対策のようなサポートがないことから物足りなく感じるかもしれません。その場合はもう少し学校説明や進路相談の機会が増えると満足できるのではないかと思います。私自身は初めから国外での就職を希望しており、スクールの就職サポートは最初から利用する気がなかったため、★3つとしました。
日本語教師にまつわる質問
「養成講座の選び方」はどのようにアドバイスをしますか?
自分が通学で学びたいのか、通信で学びたいのかを決めることが先決だと思います。そうすると費用面や講座修了までにかかる期間などで絞れるのではないでしょうか。私個人としては通学がいいかなと思います。いつでもリアルタイムで質問ができますし、他の受講者との関わりもあり、自分一人でやるよりモチベーションを保ちやすいと思うからです。
養成講座修了後、日本語教師の仕事に就きましたか?
フランスの大学に就職しました。就職活動は、情報の少なさ、アクセスの難しさという点では大変でしたが、就職活動そのものはそこまで大変ではありませんでした。実際に日本語教師として働いてみて、想像よりも楽しくて驚いています。日本語教師になってよかったです!
日本語教育能力検定試験 合格者への質問
どのくらい勉強しましたか?どのように時間を捻出しましたか?
半年前の4月頃から勉強を開始したと思います。勉強時間は覚えていません。8月は養成講座のカリキュラムで試験対策を実施してくださったので、そこでも勉強できました。学生で働いていなかったため、試験直前は毎日4時間ほどは勉強したと記憶していますが、定かではありません。
モチベーションが下がったときの対処法は?
日本語教師としてすでに活躍されている方や日本語教育能力検定試験に合格された方のブログ記事を読んだりYoutube動画を沢山見ました。Youtube動画の中でも、外国の大学生・大学院生や外国に留学している日本人学生のビデオは勉強量がハンパないのでいい刺激になり、オススメです。Youtube動画でおすすめなのは、日本語教育能力検定試験対策なら、「日本語教師のはま」さん(https://youtube.com/@hamasensei)がおすすめです。構成・テンポともによく、話し方も面白いので飽きずに見られます。
おすすめの勉強方法は?
日本語教育能力検定試験合格に特化したブロガー・Youtuberのような方がいるので、そのブログ記事と動画でポイントを抑えていました。おすすめは先述の「日本語教師のはま」さん(https://youtube.com/@hamasensei)です。最初の頃は音声学が苦手でしたが、こうした方々のおかげで得点源にすることができたように思います。あとはひたすら過去問や予想問題集を解きまくり、間違えた問題はノートにまとめて何度も見直していました。結果、試験では9割獲ることができました!(民間会社の解答予想を照合した結果で、正式な試験点数はわかりませんが。)