元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の日本語学校 経験談

一生懸命な学生の姿にいい刺激をもらった!

公開:2018/05/23

タム(女性・28歳) 
日本語教師歴 4年 (2014年~2018年) 
*休職中
資格・課程
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:12万~20万円
  • 非常勤講師
  • 3年(2014年~2017年)

私の学校の学生は中国人の美術を勉強している学生が多かったためか、「オタク」の学生がたくさんいました。私自身もアニメが大好きなので、授業に織り交ぜたり、学生から日本語を引き出す道具としてアニメを使っています。いかに学生が日本語を使って伝えたい!という気持ちを引き出せるかがとても大切なことだと思っています。

写真は学生たちが自分の調べたことについて発表している時のものです。日本語の文法や語彙の意味を教えるのはもちろん必要ですが、言葉というものは何かを伝えるためにあります。

しかし日本に来ている学生たちの中には自分の国のコミュニティーの中で生活していて、あまり日本人と話さないという学生もいます。日本語で伝えられるという喜びを知ってほしくて、調べ学習を行いました。グループに分けて「日本旅行をする」というテーマで地域の特産や名所を調べ、どこへ行くか、予算は幾らかなどを話し合ってもらいました。初級終了直後の学生たちでしたが、とても面白い発表になりました。

給料も安く、割に合わない仕事ですが、とても大きなやりがいを感じます。少しの準備でも授業はできますが、準備に時間をかけようと思えば何時間もかかります。仕事の量は教師の熱意によって変わりますが、一生懸命夢に向かっている学生を見ると、こちらも一生懸命教えたくなります。

逆にやる気のない学生ばかりのクラスに当たってしまって心が折れそうになる時もありました。やる気のある学生にはこちらも100%で臨みますが、やる気のない学生のやる気を引き出すことはできませんでした。わたしはたくさんのいい出会いがあったのでとてもラッキーだと思います。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

インターネットで色々検索しました。nihonmuraというサイトに求人が出ている日本語学校のサイトを比較して応募するところを検討しました。学校のHPに古い情報しか乗っていないところはさけ、進学先がしっかり明記されているところを選びました。

また、日本語教師としての経験がなかったので、研修をしてくれるところをえらびました。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

戸惑ったのはクラスの中にはまったく日本語を勉強する気がない人が混じっていることです。日本滞在のビザ目当ての学生や親に言われてしぶしぶ日本へ来ているような学生です。本当にびっくりしました。やる気のある学生に悪影響が出ないようにするのが大変でした。

バングラデシュやネパールの学生はとてもスパイシーな匂いがします。それを嫌がる中国の学生もいて気を使いました。露骨に嫌悪感を出したり、悪口をいうこともありました。日本語がもう少しできれば互いの文化を分かりあうこともできるかもしれませんが、初級のうちはむずかしいです。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

同僚の先生が日本語教師として渡越し、その先生からベトナムに来ないかと誘われたので、日本の学校を退職しました。ベトナムは今日本語教育熱があるし、私自身海外へ行ってみたいと思っていたので、いい機会だと思いわたしも渡越しました。

給与・待遇

月収 12万~20万円
月収内訳
  • 1コマ45分:1,600→2,000円
  • 担任手当1クラス:1万円
基本労働時間 1日4~8コマ 週5日勤務
残業(時間外労働) 1ヶ月合計60時間
待遇 交通費
クラスの長期休暇中の
給与保証
給与保証がない
仕事のかけもち 日本語教師以外の副業に就いている

教案を書くのに時間がかかったので最初の半年は、飲食店でのアルバイトをしながら週3日から始めました。それからだんだんコマ数を増やしましたが、3年たっても、他の仕事をしながら続ける状態でした。最初のコマ給は1,600円で2,000円まで上がり、週に28コマ入りましたが、長期休暇中は収入がなくなるのでこの仕事だけで生活するのはきびしいです。

3か月ごとの期末テストの後のテスト休暇、ゴールデンウィーク、夏休み、冬休みは仕事がなかったので、派遣会社に登録して、その期間働けるようにしていました。また、土日休みでしたが、ときどき派遣の仕事をしていました。

コマ数が増えてから一度失業保険などに入れないか聞いてみたのですが、その学校では非常勤は入れないとのことでした。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス20人
学習者の年代
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
主な学生の出身地 中国
1日の時間割 月曜日
  • 13:25~16:45  
    初級クラスを4コマ
  • 授業後テスト採点など1~4時間ほど残業
火曜日
  • 9:00~12:20  
    中級クラスを4コマ
  • 13:25~16:45  
    初級クラスを4コマ
  • 授業後テスト採点など1~4時間ほど残業
水曜日
  • 13:25~16:45  
    初級クラスを4コマ
  • 授業後テスト採点など1~4時間ほど残業
木曜日
  • 9:00~12:20  
    中級クラスを4コマ
  • 13:25~16:45  
    初級クラスを4コマ
  • 授業後テスト採点など1~4時間ほど残業
金曜日
  • 13:25~16:45  
    初級クラスを4コマ
  • 授業後テスト採点など1~4時間ほど残業
休日 土日
ときどきアルバイトをしていました。アルバイトの休憩時間にも教案作成をしていました。

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

わたしの学校は中国人が8割以上、2割がベトナム・ネパール・バングラデシュ・モンゴルなどの学生でした。中国人主体なので、漢字の時間があまりとれず、非漢字圏の学生が漢字に苦手意識を持つようになってしまうことが多く苦労しました。やる気のある学生にはできるだけサポートをしたのですが、なかなか難しかったです。

3か月で進まなければならない進度があったのですが、できないクラスではなかなか進めず、よくできるクラスでは時間が余ってしまったので、調整に苦労しました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

5時ごろ授業が終わり、そのあとの仕事に時間がかかり大変でした。
毎日行う小テストの採点や、そのテストの作成、次の先生への引継ぎ、次の日の授業準備、来週の予定表作成など、時間外に行わなければならない業務がとても多く朝から授業がある日は12時間以上学校にいました。

早く帰りたい気持ちはありましたが、授業後に学生が話したそうにしていたら、おしゃべりするようにしていました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
日本語教育のためのイラスト教材
分かりやすいシチュエーションのイラストがたくさんあるので、プロジェクターで学生に見せています。
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 学習者の進路
  • 経験がなくてもいい
  • 経験のない教師に対するサポートがある
応募時に
必要とされた資格
上記のいずれか
選考方法
  • 書類
  • 面接
  • 教案提出
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

わたしは大学時代芸術系の学部でした。わたしの勤めていた学校のHPを見たら、わたしの卒業した学部へ入学していることが分かり、なにかわたしが伝えられることがあるのではないかと思い、その学校に応募しました。また応募の時点で日本語教師としての経験がなかったので、研修をしっかりしてもらえる所を選びました。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

主に提出した教案の感想を言ってくださいました。そのあとに

日本語教師を目指した動機
この学校をえらんだ理由

を聞かれましたが、すぐに学校の説明や新人研修の内容に移ったので、あまり質問はされなかったと思います。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

大学を出てすぐ教師になったので職歴はありません。大学時代に演劇をやっていて、声優としてのトレーニングを受けたので、効きやすい声だと言われることが多く、この経験は役に立っています。

日本語教師になるため持っていた方がいい資格というのは思いつきませんが、なんでも自分のしてきた経験を生かせる職業だと思います。

語学ができればとても有利だと思うし、美術の勉強をしたことがあれば美大を目指す学生にアドバイスができます。会社に勤めていた経験があれば、ビジネス日本語に役立つし、演劇も教えることも「伝える」という点は同じなので経験が生きていると思います。なんでもいいので「自分の一芸」を持っていることが大切だと思います。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト
nihon mura
ここに求人を出していました。

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

20代前半のころ大学を休学して将来に迷っていました。その時大学で受講した「日本語の音声」という講義がおもしろかったことを思い出して、日本語教師養成講座に通い始めました。

その後、大学を卒業してわたしの目指していた演劇の道と、日本語教師としばらく2足のわらじでやっていましたが、日本語教師の仕事がおもしろくなって、教師一本でやっていくことにしました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

以前ひらがなの書き方から教えていた学生から「N1に合格しました!」というメッセージや、大学の入学式の写真が送られてきたりすると、本当に嬉しくなります。

もちろん今教えている学生が試験に合格するのは嬉しいのですが、それ以上に以前教えていた学生の成長後の姿はジーンと来るものがあります。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
日本語教育が専門でなくても、総合大学に通っているのなら、日本語教育系の授業をとってみるのはどうでしょうか。

わたしも専攻は日本語教育ではありませんでしたが、「日本語の音声」という授業がおもしろかったことで日本語教師という職業に興味を持ちました。ぜひ色々な授業を受けてみてください。

また自分の専攻も大切にしてください。私の学校には美大を出た同僚や中国語が堪能な同僚がいました。今勉強している学部へ進みたい学生に教えるかもしれません。わたしも大学時代の技術が今の授業に生きていると思います。

【社会人の方へ】
日本語教師養成講座には仕事をしながら通っている方もいらっしゃいました。まずは日本語教師養成講座を終了するのがいいかと思います。半年まじめに頑張れば試験も合格できるので、勉強に自信のある方は、直接日本語教育能力試験にチャレンジするのもいいかもしれません。

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