元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の日本語学校 経験談

数週間で企業などへ送り出す貴重な経験

公開:2017/11/27
まーらーたん(男性・41歳) 
日本語教師歴 11.6年 (2005年~2016年) 
*現在は海外でオンライン日本語講師
資格・課程 なし
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:12万円
  • 非常勤講師
  • 11年(2005年~2016年)

私が働いていた学校は、主に研修生(後の実習生)を数週間である程度の日本語レベルまで引き上げるというノルマがありました。

日本語レベルが様々で尚且つ色々な国の人が一つのクラスで学んでいたので、文化の違い、発音の違い、学習意欲の違いなどに直面して大変な思いをすることも多くありました。また学習者の中にはお金がない人、島の奥深くで原始的な生活をしていた人、農村で働いていて文化的な生活をしたことのない人もいました。このような違いがある中でも、ある一定のレベルまで日本語力を高める必要もあったので、その要求に答える点でも苦労しました。

さらに、日本語だけでなく、日本式の掃除の仕方やトイレの使い方、洗濯物の干し方、料理の仕方、買い物のしかた、貯金や節約の仕方なども日本語で教えることもありました。

このような苦労がある中でも、学習者が日本語を理解して数週間ででコミュニケーションが取れるようになった時の喜びは何ものにも代えがたい宝です。学習者が日本語を理解して目が輝く瞬間を見ることもなかなか経験できるものではありません。長い時間接しているといっしょに写真を撮ることもありますが、肩を組んだりしてフレンドリーな関係を築くことができます。

数週間後に企業などへと送り出す訳ですが、その時にほとんど全ての学習者が日本語で感謝を述べてくれるなどの経験も忘れがたいものです。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

留学生を主に受け付けている日本語学校を検討しました。

しかし、留学生を扱う学校の場合、日本語能力検定試験対策や非日常的な会話の練習になり、自分にとって満足いくものではありませんでした。

自分が教えたいと思っていた日本語は、生活や仕事に結び付いた生きた日本語でした。教科書通りに進めていってもある程度のコミュニケーションは図れますが、実際に仕事や生活を始めた時には理解できなかったり混乱したりすることが予想されます。そうではなくむしろ日本語学習の最初から日常会話ができるように教えていけば、このような問題も短時間で解決できると思います。

こうした理由ゆえに選びませんでした。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

日本語を教える点で一番苦労したことは発音です。国によって発声のメカニズムが違うため、それぞれの国に特徴があります。その調整が非常に難しいものでした。例えば、中国の南方に住む人の中には、ラ行とナ行の区別がつかない人がいます。「ナンですか?」を「ランですか?」と言うことがあります。

また、ベトナム人は発音特性ゆえに語尾が赤ちゃん言葉になってしまうことがあります。「~でちゅ」とか「~まちゅ」のような発音を無意識にしています。こうした、それぞれの国の発音特性ゆえに正しくない発音を正しく発音させることが苦労しました。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

多くの外国人と接している内に、海外で生活しそこで日本語を教えたいという願いが強まっていきました。

また、日本語を教えている自分が他の言語を学ぶ苦労を知らなければ、他の人に教えたり言語習得の苦労を理解したりできないと考え、語学習得のために外国で生活することにしました。それで、以前の教育機関を退職しました。

給与・待遇

月収 12万円
月収内訳 時給:1,150円
基本労働時間 1日8コマ 週4日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇
  • 交通費
  • 保険(社会保険)
  • 健康診断
仕事のかけもち かけもちしていない

私が勤めていた教育機関は私の主観では非常に待遇のよいところでした。社会保険や厚生年金に入ることもでき、交通費も支給されていましたので、無駄遣いをしなければ問題なく生活することができると思います。

年に一回の健康診断もありました。残業もなく採点も1時間は就業時間に組み込まれていましたので、負担を感じることはありませんでした。

ただ、授業準備は個人で行うものだったので、時間かけてしまうと少し損をした気分になりました。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス20~30人
学習者の年代 社会人
主な学生の出身地
  • 中国
  • 東南アジア圏
1日の時間割 月~金の中から4日
  • 8:45~12:35  
    クラスを4コマ
  • 13:20~17:20  
    クラスを4コマ
休日 土、日
休日に取り組んだ仕事:時折、授業準備に時間を当てていました。

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

中年のタイ人を約30人ほど受け持った時は大変でした。

ほとんどの学習者の学習意欲がなく、途中で寝てしまったりすぐにトイレへ行ってしまったりと、どうしたら興味を持って学習してもらえるか全く分かりませんでした。

毎朝、「昨日の晩何をしたか?」と尋ねるのですが、ほぼ全員が「ビールを飲みました」「お酒を飲みました」と答えていました。そこで、彼らの興味がお酒を飲むことだと分かったので、お酒に関係する動詞や形容詞をピックアップして授業を進めたところ、徐々に興味を持ってもらい最終的には楽しく学習を終えることができました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

勤めていた日本語学校の授業形態の関係で、予定が不確実なことが時折ありました。

その際に、突然授業が無くなったり、授業が入ったりということがありました。また、午前中だけの出勤や午後からの出勤ということもありました。予定を立てたり変更したりすることが少し難しかったと感じています。

突然授業が無くなったときは、せっかく空いた時間だからということで、週末なら混んでしまってゆっくり見られないお店をゆっくり見るなどして時間を有効に活用していました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
  • 日本語教師の教案
  • 教案の広場
    どの順番で文型を導入するかを考えるのは大変です。これらのサイトを参考にすると系統だって文型を導入できるので参考になります。
参考になる書籍

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 必須資格
  • 使用されている教授法
選考方法 面接
Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

友人がこの教育機関の事務として働いていました。当時、この教育機関はまだ始まったばかりでした。学習者は多くいるのに日本語講師が少なく手が回らないということで、働いてみないかと声をかけてもらったのがきっかけです。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

10年以上前のことなので申し訳ありませんがほとんど覚えていません。おそらく、事務をしていた友人の紹介ですでにある程度の情報が行っていたようなので、多くを聞かれませんでした。週に何日働けるかなどを聞かれたと思います。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

外国語を勉強する大変さを知っておくと、教える際に役立つと思います。外国語を学ぶ難しさを経験しておけば、学習者がなぜ理解できないのかを理解することができ、学習者目線で教える事ができるようになります。

また、人前に立って教えるわけですから、プレゼンテーション能力や恥ずかしがらない性格も必要です。大きい声で話す事ができ、ユーモアのセンスがあると学習者も退屈せずに楽しく学習できると思います。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト
  • 日本語教師の集い
    日本・海外問わず求人が出ている。
  • indeed
    このサイトから日本語教師を検索すると探す事ができる。登録すれば簡単に履歴書を送る事ができる。

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

この質問の前の質問でも答えたように、教育機関の事務で働いていた友人の勧めで始めた仕事でした。初めから目指していたわけではありませんが、日本語講師の仕事を続けるうちに、本格的に日本語講師として働きたいという意欲は強まっていきました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

学習意欲のない学習者や、なかなか日本語を話せない学習者と一緒に学習することは大変です。しかし、相手の興味があるものを取っ掛かりにして日本語を織り交ぜていくと効果があります。

例えば、ある学習者は日本のアニメが好きなことが分かりました。それで、どんな日本のアニメを知っているか?それは面白いのか?怖いのか?自分の国で有名か?どのくらい見るのか?など簡単な日本語で質問して答えてもらいました。そうしたところ、学習者は徐々にやる気を出し、また質問に答えていくうちに日本語を少しずつ理解できるようになっていきました。理解できると表情が明るくなり、最終的には簡単な受け答えができるようになりました。

学習者の表情が明るくなる瞬間を見る時には、あきらめずに指導してよかったと感じます。また、日本語で一生懸命書いた感謝の手紙をもらった時にも本当に感動します。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

なし

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
大学へ行って専門の知識を得ることは、日本語の根幹を理解することができ、また文法の成り立ちや基礎を知ることができるので良いと思います。実際、わたしもある学習者から、ある文法を詳しく教えて欲しいと言われましたが、すぐに答えられるず別の先生が答えるということがありました。

しかし、ほとんどの学習者は日本語で会話することを期待して学習しています。学習者のニーズに応えるためには420時間コースに申し込んで実際の教授方法を学んだほうが良いと思います。

また、現在の求人の多くは資格が求められています。
それで、日本語教育能力検定試験合格のための講座を受けて即戦力になることも、日本語教師になる近道と言えるかもしれません。

【社会人の方へ】
やはり、学生の方と同じように日本語教育能力検定試験合格のために講座を受けたり、420時間コースに申し込むことが良いと思います。

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