元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の日本語学校 経験談

きついけど、他の仕事にはないやりがい

公開:2016/11/14
kothey(女性・20代後半・関東)
日本語教師歴 2.5年 (2012年~2015年) 
*他業種に転職
資格・課程
日本語学校での
経験詳細
  • 月収:250,000円
  • 専任講師(正規雇用)
  • 2.5年(2012年~2015年)

待遇面は、比較的良いほうだったのではないかと思います。

日本語学校の経営は難しいと言われ、お給料が遅れたり、ボーナスが支払われなかったりするケースもあると聞きます。私が勤務した学校ではそのようなことは一度もなく、安心して働くことができました。

金額は、一般企業での勤務経験がある同僚によればかなり少なかったようですが、「日本語教育業界の中では多いほう」と思うようにしていました。

また非常勤講師の方は実家から通われる方が多いですが、私は上京組だったため実家が遠く、どうしても専任講師として働く必要がありました。

運よくそのポストが空いており、採用していただけたため、生活していくことができました。

日々の業務に関しては非常に忙しく、求められることも多かったです。他部署は定時で上がれるところ、教務部は20時にならないと帰れない、という日常でした。

授業はもちろん、授業時間外での学生へのフォロー、非常勤講師のサポート、学習環境の点検・改善、教員や学校全体の会議、土曜日の試験実施など、授業以外の事務的作業が非常に多く、時間に余裕ができるのは学生の夏休み中だけ、という状態でした。

仕事自体は大変でしたが、学生たちに会って話をすれば、瞬時に吹き飛んでいました。生徒の質は比較的よく、ほとんどの学生は精神的に大人で、学習にも前向き、教師とも良好な関係を築こうとしてくれました。

学生の様子を観察し、問題がないかチェックするのは教師の役目ですが、学生も同じように、教師のことを日々観察し気にかけていてくれました。

少しでも様子が違うと「先生、元気がないですね。大丈夫ですか?」と聞き、面談が昼食の時間に被ると「先生、お昼ごはんはまだですか?」と心配してくれました。そういった学生たちの優しさに、日々救われていました。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

就職活動時には、働くことになった民間学校のほかにもう一校、面接を受けました。専任講師として採用されることは稀だ、という話を聞いていたため、二校掛け持ちで非常勤講師として働くつもりでした。

しかし蓋を開けてみたら専任講師として採用していただけたので、もう一校は辞退することになりました。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

国の文化の違いによる、学習者間の摩擦に困ったことがありました。

「学校」というもの一つをとっても、学習者の考え方は異なります。中国やタイなどの学習者は「静かに先生の話を聞き、黙々と問題を解く」スタイルに慣れており、それが「まじめな学生」「学生のあるべき姿」だと思っています。

しかし欧米や中東の学習者は、「積極的に発言・質問をする」ことが学生の本分だと考えるため、授業中は多くの質問をし、時にはそれで授業が中断することもあります。

こういった学生の姿勢を「授業を邪魔する悪い学生」という風に受け取り、抗議する人がいました。

Q:なぜこの教育機関を退職しましたか?

もともと海外で働くために日本語教師になったため、国内で経験を積んだ後は海外に出たいと思っていました。初級から上級まで授業に入ることができ、年齢的にも早いほうがいいかと思い、退職し海外に行くことにしました。

給与・待遇

月収 250,000円
月収内訳
  • 基本給:250,000円
  • 交通費:上限10,000円
残業(時間外労働) 1ヶ月合計40時間
授業の準備 / 事務作業
待遇
  • 賞与(年間600,000円)
  • 有給
  • 保険(社会保険 / 厚生年金 / 雇用保険)
  • 交通費
  • 健康診断
  • 年間昇給10,000 ~ 20,000円
クラスの長期休暇
  • 夏休み:30日
  • 冬休み:12日
  • 秋休み:10日
クラスの長期休暇中の
給与保証
給与が発生する仕事がある
事務作業等
仕事のかけもち かけもちはしていない

給与の安定性は確保されていたため、その点では安心して働くことができました。また長期休みは夏と冬にそれぞれいただけました。

ただ教務部は時間外労働が他部署に比べてかなり多く、休日等にも出勤日があり、給与に関してはどうしても腑に落ちない感覚がありました。

独身の専任講師の多くは実家から通われていましたが、私は地方出身のため部屋を借りていました。働き始めの一年は給与がかなり低く、家賃の負担額を減らすためにルームシェアをしていました。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス約19人
学習者の年代
  • 大学生
  • 社会人
1日の時間割
  • 9:00~13:00  
    クラス授業5コマ 休憩10分
  • 13:00~14:30  
    面談など
  • 15:00~19:00  
    授業準備や採点、事務作業等
休日
  • 土曜日:基本的に休み。年に数回、模擬試験やセミナーの実施で出勤あり。
  • 日曜日:休み

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

日本語学校の学生は基本的に高校卒業以上の大人のはずですが、中には精神的に幼く、授業を妨害したり周りの学生に危害を加えたりするような人もいました。

自分のクラス内で解決できる問題のときは、学生に聞き取り調査を行い、解決策を講じましたが、手に負えないと感じたときには学校全体の問題として、他の先生や部署にも早急に相談するようにしました。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

受験シーズンは普段の授業に加え進学指導が入り、募集要項や提出書類の確認、面接準備などに時間を取られるため、授業準備が大変でした。一秒も無駄にしないよう時間をやり繰りし、乗り越えていました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
みんなの教材サイト   
ピクチャーカード:絵教材等が必要な場合や、教案のアイデアが欲しい場合に活用していました。

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 雇用形態
  • 必要資格
  • 学校の規模
応募時に
必要とされた資格
選考方法
  • 書類
  • 面接
Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

面接は一度だけで、志望理由、専任講師・非常勤講師の希望、掛け持ちの有無を聞かれ、休日日数や勤務時間に関する説明を受けました。

質問数はあまり多くなく、「面接」というよりも「人間性を含めた最終確認」といった様子でした。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語学校には語学スタッフが別にいることが多いので、特に語学レベルは求められません。ただ「言語を学習したことがある」という経験は、学習者の立場を理解するうえで強みになると思います。

一番大切なのは、「常に最高の授業をしよう」という熱意を持つこと、そのための努力を惜しまないことだと思います。手を抜くと、学生はすぐに見抜き、信頼関係に響いてきます。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト 日本村

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

幼少期から外国人と触れ合う機会を多く与えられ、そのため自然と「将来は外国に出たい」と思うようになりました。

大学時代にカンボジアに行ったことがきっかけでアジアの新興国に興味を持ち、外国の人々に提供できる技術を習得し、将来は新興国で働こうと決めました。

その技術として選んだのが「日本語教育」でした。資格取得後、海外と日本で悩みましたが、まずは本場の日本国内で経験を積むことにしました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

海外で教えることと、国内で教えることの大きな違いは、学習者の国籍だと思います。

例えば中国で日本語教師をした場合、当たり前ですが学生は全員中国人ということになります。反対に日本国内の場合は、中国人だけ、韓国人だけ、と、一つの国籍のみでクラスが構成されることは少なく、国籍の違う学生が一緒に勉強することは珍しくありません。

言語を教えることを考えると、一つの国籍でまとめたほうが効率よく、スムーズに授業が進められます。実際に、国籍が違う学生が一つのクラスにいるときには、文化や学習環境の違いからレベルが開き、教えづらいこともあります。

しかし国籍が違うからこそ化学反応が起きることもあります。文化も宗教も違う学生同士が助け合ったり、共通語である「日本語」を使って互いについて知り、理解を深めたりする様子からは、海外で教えることでは得られないだろう感動を得られます。

いい意味で期待を裏切られることが多くあり、小さな感動を毎日体験できるのは、国内ならではだと思います。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

仕事自体にやりがいはありますが、やはり体力面と給与面から辞めたいと思うことはよくありました。私は20代で比較的元気な世代のはずですが、毎日10~12時間労働はやはり睡眠不足との闘いでした。

授業期間中は毎日5~6時間立ちっぱなし、授業後も学生との面談や事務作業などが入り、昼食は3時ごろになることも多々ありました。一般企業のような9時~5時の働き方ができるのは、授業がない長期休みの期間だけでした。

給与面は、給与そのものというよりも、「こんなに働いてこれだけか…」という気持ちが強かったです。

新興国の学生が多く、安易に学費を値上げできないうえ、国際情勢の影響を直に受ける日本語学校の経営は難しいと言われます。

そのためボーナスをいただけるだけでも幸運でしたが、やはりどうしても、「割に合わない」という言葉が頭をよぎってしまうことがありました。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
大学の副専攻に日本語教育があれば、それを受講すれば資格になります。ない場合は私と同じように、大学に通いながら日本語教師養成講座を受講することも可能です。

まずは養成講座の説明会や体験入学に参加して、現役の日本語教師の方にお会いし、疑問を解消することが良いかと思います。

【社会人の方へ】
現在働いていらっしゃる方であれば、養成講座の夜間や休日コースがもっとも通いやすいかと思います。私も大学に通いながらの夜間・土曜コースだったので、クラスメートはほとんど、企業にお勤めの方でした。

働きながら学校に通うのは大変だと思いますが、仕事をしながら勉強する先輩方は格好良く、尊敬していました。こちらも、まずは養成講座の説明会などにご参加されるのが良いかと思います。

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