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日本国内 日本語教師経験談

国内 専門学校 日本語科 目の回る日々。その先にある達成感!

はるりんごさん・ 32歳・ 女性 👩 ・ 日本語教師歴 6年

総評

  • 国内の専門学校 日本語科
  • 雇用形態:専任講師 *正規雇用
  • 期間: 6年(2008~2014年) 退職
  • 月収:27万円

私が勤務していた専門学校には、日本のファッションや漫画に興味がある留学生が多く在籍していました。専門学校の日本語科で2年間日本語を学んだあと、そのまま専門課程に進学し、専門的な分野で知識を深められるのが特徴です。

校風が顕著に現れる行事の一つが学園祭でした。日本人学生、留学生、共に個性的な学生が多いので、学園祭での奇抜なファッション、漫画の展示のクオリティには毎年、驚かされました。

とかく、留学生は同じ国の仲間で集まって行動する嫌いがありますが、この学校に関しては、同じ趣味や夢を抱いている仲間同士なので、日本人も留学生も国境を越えての交流が盛んな学校でした。日本のトップ大学への進学希望をしている学生は少数派だったこともあり、日本語のレベルで言うと、さほど高いレベルではなかったと思います。

さらに仕事の持ち帰りもありました。お昼休みは、学生の対応などもあり、事実上、無いと言ってもいいくらいでした。お昼は、自分で隙のある時間を狙い、デスクに向かいながらおにぎりを食べたり、お茶を飲んだりしていました。土日は、どちらか1日は多少、仕事をしていましたが、買い物に行ったりする余裕はありました。

かなりハードな仕事量ですが、それでも6年間続けられたのは、私自身が単にこの仕事が好きだったこと、それと、働いた分だけの報酬を得ていたからだと思います。自分のクラスの学生が希望する進路に進めたときは、心折れずに続けて良かったと思えました。

他の教育機関と比較・検討しましたか?

民間の日本語学校に3件採用されましたが、距離的に遠いのと、待遇が専門学校のほうが良かったため、辞退しました。日本語教師は、待遇があまりよくないと聞いていたので、学校選びをする際に、待遇については念入りに確認してから決定しました。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

学習者はほぼ全員がアルバイトをしていました。アルバイトが原因で学校を休む学生もたくさんいました。最悪の場合、居場所が特定できなくなるような学習者も出て来て、捜索するのも困難でしたし、見つかってからも、学校に登校するよう促すのは困難でした。

勉強したくても経済的な問題のために働かなければならない学習者に対しての対応が難しかったです。

なぜこの専門学校 日本語科を退職しましたか?

妊娠を機に育児に専念するため退職しました。産休という手もありましたが、日本語教師は免許さえ持っていればいつでも復職できる職なので、辞める際に思い留まることはありませんでした。とても自分に合った職場だったので、また戻れるなら戻りたいと思える学校です。

給与

給与:27万円/月 ・専任講師 *正規雇用

一言で言えば、十分生活していけます。貯金も貯まりますし、生活をする上で我慢をするようなときはありませんでした。会社の中にいる間は、サービス残業もなく、特に、賞与が生活に与える影響はかなり大きいと思います。

授業準備、採点などもほぼ業務時間内にしていたので、この業界においては待遇が良いほうだと思います。とはいえ、すべての業務を会社でしていたわけではなく、仕事の持ち帰りもありました。その際、給料は貰えませんが、それでも十分満足できる報酬でした。

給与の詳細 情報を読む...

月収 27万円

  • 基本給:22万円
  • 住宅手当:3万円

待遇

  • 交通費
  • 有給
  • 雇用保険・労災保険
  • 社会保険
  • 賞与 年3ヶ月分
  • 健康診断
  • 年間昇給
  • 残業代

勤務時間

  • 1日10時間 週5日勤務
  • 残業 1ヶ月合計40時間

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

仕事のかけもち

  • かけもちしていない

給与や待遇面でおすすめできる、国内のその他教育機関を教えて下さい。

専門学校はお勧めです。あとは、友人の話によると、大学の非常勤講師として働いた場合、時給6千円から1万円ほど貰えたと聞いたので、給与に関して言うならばお勧めします。

授業形態・勤務スケジュール

クラス運営で大変だったことは?

初級クラスでは、中国人が学生の半分を占め、残りはタイ人、韓国人、バングラデシュ人、ネパール人だったのですが、中国人の学生は教室内でも中国語を話そうとするので、他国の学生から不満の声が出ることがありました。

教室内では日本語で話すことを徹底したところ、クラスの雰囲気も改善されました。休み時間には、中国人学生だけの輪だった中に、他国の学生が入り混じって日本語で会話するようになりました。

受け持ちのクラスの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス15人

学習者層

  • 専門学校生

学生の主な出身地

  • 中国

スケジュール管理で大変だったことは?

任されている業務の数が多かったので、混乱するときがありました。工夫したことは、デスクにやることリストを優先順位をつけて書き出し、ひとつひとつクリアにしていくという方法でした。与えられた業務をしている途中にも、学生からの相談や願書の指導など、急な仕事が入ってくるので、とにかく見落としなく業務を遂行していかなければなりませんでした。

1週間のスケジュールを読む...

スケジュール

月曜日
  • 午前 初級クラス 1コマ
  • 午後 中上級クラス 1コマ
  • 空いた時間に採点、授業準備、出席管理、学生面談
火曜日
  • 午前 初級クラス 1コマ
  • 午後 中上級クラス 1コマ
  • 空いた時間に採点、授業準備、出席管理、学生面談
水曜日
  • 午前 初級クラス 1コマ
  • 午後 中上級クラス 1コマ
  • 空いた時間に採点、授業準備、出席管理、学生面談
木曜日
  • 午前 初級クラス 1コマ
  • 午後 中上級クラス 1コマ
  • 空いた時間に採点、授業準備、出席管理、学生面談
金曜日
  • 午前 初級クラス 1コマ
  • 午後 中上級クラス 1コマ
  • 空いた時間に採点、授業準備、出席管理、学生面談
休日
  • 土曜日:特に業務はなく、プライベートを満喫していました。
  • 日曜日:日曜の夜は、次の週の授業準備に追われていました。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • みんなの教材サイト
    どうしても教案作成に行き詰まったときのヒントとして使っていました。例文は面白みがないものが多いので、自分で考えたものの方が良いと思います。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この専門学校 日本語科で働くきっかけ・決め手を教えて下さい。

待遇、勤務地、業務内容(クラス担任になれる)、こららの自分の希望する条件がマッチしたのが決め手です。日本語科の先生と面接、模擬授業後、待合室に通され理事長との面談もありました。

いろんな学校で面接をしましたが、最後に理事長との面談があったのはこの学校だけでした。理事長と話すことによって、校風もより理解できました。

面接で何を聞かれましたか?

模擬授業の感想や、教案を作るのにどのくらいの時間が掛かったか聞かれました。また、クラス担任になる希望はあるかどうかや、具体的な仕事の内容の説明も受けました。

模擬授業ではどのような課題が与えられましたか?

これ、それ、あれの導入でした。初級学習者なので、カードなどはあまり使用せず、実物を持参して導入しました。当時は恥ずかしさもありましたが、恥ずかしさや自信がないのを表に出さないように、とにかく大きな声で教壇に立ちました。それが、審査の先生には好印象だったようです。

この専門学校 日本語科で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

私の場合、学生時代に通勤可能な範囲内の日本語学校に片っ端から電話をかけ、インターンシップで受け入れてもらえないものか交渉をしました。結果、1校の日本語学校に興味を持っていただき1ヶ月間、アシスタントとして働きました。教案指導、模擬授業の指導もしていただき、その後の就職活動でも強みとなる経験になりました。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 日本村
    定期的に更新されるので、時々チェックしていた。 更新頻度は少なかった。

その他就職活動で有効な手段は?

  • 直接、学校に電話する
    案外これがお勧めです。

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 給与・待遇
  • 通勤時間

応募時に必要とされた資格

  • 日本語教師養成講座420時間修了

就職 選考方法

  • 書類
  • 面接
  • 模擬授業

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

大学在籍中にニュージーランドに留学し、現地の小学校でボランティアで日本語を教えました。教壇に立って人前で話すことに、自分自身、抵抗を感じていませんでした。ただ「楽しい!私にもできるかもしれない」それだけの理由で、その頃から日本語教師という職に興味を持ち始めました。

大学3年の春から日本語教師養成学校にダブルスクールで通い、卒業までに取得し、必死の覚悟で職を探したと記憶しています。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

教師になって3年目の年、自分のクラスから、スピーチコンテストに出場したいという希望者が出ました。授業後、学生と本番に向けて何度となく練習を繰り返しました。

私にとっても、学生にとっても初めての経験でしたが、「絶対に入賞したい!」という学生の想いに応えられるよう、後に回せる仕事は後に回し、スピーチ指導を優先しました。時間を削っての準備は大変でしたが、学生の喜ぶ顔が見られたことで全ては報われました。

学生のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

学生の間に日本語教師養成講座420時間を修了し、大学在学中に内定をもらえるよう努力するのが一番だと思います。とにかく、片っ端からメールなり電話なりをしてみることです。

社会人のみなさんへ 進路のアドバイスはありますか?

日本語養成講座420時間はもちろん、日本語教育能力検定の試験に合格していると、かなりの強みになると思います。経験が全くない方は、ボランティアでもいいので、どこかに所属して下積み経験を積んでおくといいと思います。

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