元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

国内の企業 経験談

給料は不安定だが生徒の笑顔が見られる仕事

公開:2017/05/15
cocoon(女性・32歳・東京都) 
日本語教師歴 5年 (2012年~2017年) 
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程
企業での
経験詳細
  • 月収:100,000円
  • 非常勤講師
  • 2年(2015年~2017年)
    *現在も就労中

企業で働いている欧米系ビジネスパーソンの方に日本語を教えています。日本に赴任したてのマネージャークラス以上の方々で、日本語は全く話せない状態からレッスンをしていきます。年齢は30代から40代の方が多いです。最初は英語だけを使い日本語を教えますが、生徒さんの理解度に応じて徐々に日本語の量を増やしていきます。仕事をバリバリこなしているためか勘の鋭い方が多く、とても覚えが早く助かっています。

新しいことを知ることが楽しいようで、毎回レッスンの最後に満面の笑みで「ありがとう!」と言ってもらえます。特に印象的だったのは、ある生徒さんにひらがなを教えたときに、「先生は私の世界を変えてくれた!」ととてもうれしそうに言ってもらえたことです。生徒さんの笑顔を見られたときが、日本語教師になってよかったと最も強く感じる瞬間です。

時給は3,500円と、この仕事ではかなり高めに設定していただいています。ただし昇給や交通費の支給はありません。また、生徒さんの会社に赴いてレッスンを行うため、移動でかなり時間を取られてしまうこともあります。現在契約しているのは3社で、週3で稼働しています。スケジュールは今のところゆとりがあります。

生徒さんは出張やバケーションで長期間日本を離れることが多く、月によって収入にかなり差があるため、安定して収入があるほかの日本語教育機関とかけもちしています。

Q:他の教育機関と比較・検討しましたか?

初めは日本語学校に就職することを検討しました。しかし、教案チェックや採点などの雑務が多いことや、時給があまり高くないこと、また、自身の英語力を発揮する機会がないことから選びませんでした。

さらに日本語学校によっては、授業の進め方が細かく決められていることがあります。自分のやり方や生徒さん一人一人の希望を聞いてレッスンを進めたいと思っていたので、自由なスタイルでレッスンさせてもらえる現在の会社を選びました。

Q:日本語教師として苦労した事、戸惑った事はありますか?

ひらがなやカタカナは必要ないという生徒さんが多いため、教材選びに苦労しています。初級では英語で書かれたテキストもありますが、中級以上はすべて日本語で書かれているため使うことができません。

レベルが上がってきた生徒さんには、その人の趣味や仕事内容に合った話題をこちらで用意し、会話練習や文型導入を行なっています。テキストを使うより個人の希望に沿ったレッスンができるので、結果的に好評をいただいていて安心しています。

給与・待遇

月収 100,000円
月収内訳 時給:3,500円
残業(時間外労働) 残業なし
待遇 コピー代 / 教材代
クラスの長期休暇 規定はないが、多くの学習者は年末年始やお盆などに1ヶ月ほど休みを取る
クラスの長期休暇中の
給与保証
  • 給与保証がない
  • 長期休暇中は別の仕事をしている
仕事のかけもち かけもちをしている:企業

給料にはかなり満足していますが、年末年始やお盆などは、みなさん同じタイミングで1ヶ月くらい休暇を取るので月によって収入にかなり差があります。スケジュールにも余裕があることから、毎月安定した収入がある別の教育機関とかけもちしています。

個人事業主として雇用されているので、交通費や有給などの福利厚生はありません。交通費は確定申告で経費として申告しています。コピー代や教材代は、領収証を送れば支給されます。

個人レッスンのため、生徒さんによってそれぞれ別の授業準備をする必要があります。初めは教案を書いてしっかり準備していました。しかし、用意した教材以外の質問が多く予定通り進まなかったので、今では話題や文型など簡単に調べる程度で、準備にはあまり時間をかけていません。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態
  • プライベートレッスン
  • 企業研修
学習者の年代 社会人
1日の時間割
  • 8:00~9:30  
    企業でプライベートレッスン90分
  • 9:30~10:00  
    移動
  • 13:00~14:30  
    企業でプライベートレッスン90分
  • 14:30~15:00  
    移動
  • 17:00~18:00  
    企業でプライベートレッスン60分
休日 日曜日
休日に取り組んだ仕事:1週間分の授業スケジュールの確認、必要であれば教材のコピー。2時間くらいで終わる。

Q:クラス運営(授業形態)で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

生徒さんが疲れていてモチベーションが上がらないときは、授業に引き込むのに苦労します。そんなときは、週末したことや、趣味の話を簡単な日本語でしてもらい、まずは頭を切り替えてもらいます。

この日までにこれを教えなければいけない、という決まりもないため、たっぷり時間をかけてウォームアップできるのは助かっています。授業の終わりまでには笑顔になってもらえているので、柔軟に対応することの大切さを実感しています。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

日中の時間にレッスンをしているときは、スケジュールの変更が多くて大変でした。仕事が始まる前や、終わった後の時間にレッスンをするようになってからは、変更や突然のキャンセルが少なくなりました。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
coscom   
聴解 / その他
日本のニュースや文化の記事などがレベル別に載っています。オーディオデータもあるので、リスニングにも使えます。記事を読んで単語の意味を確認してもらった後、意見や感想を言ってもらっています。
参考になる書籍
Nihongo Breakthrough   
対象者:初級
タクシーの乗り方やレストランでの注文方法など、サバイバル日本語を学べる教科書です。重要な単語が絵と一緒にまとめられているため、必要部分をコピーして、会話練習前の単語導入に利用しています。

就職活動

教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 雇用形態(専任・常勤・非常勤)
応募時に
必要とされた資格
※どちらか一方
選考方法
  • 書類
  • 面接
Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

欧米人相手に英語を使って日本語を教える会社で、本社が海外にあるため、英語で電話面接を行いました。日本語教師の経験についてと、レッスンスタイルについて質問されたくらいで、あとは会社の説明や仕事の進め方など先方の説明を聞いていた時間が多かったです。英語力については聞かれませんでしたが、後で聞いたところ質問への受け答えでチェックしていたそうです。

Q:この教育機関で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

日本語教師の経験は問われませんでした。相手はビジネスパーソンなので、限られた時間で効率的に楽しく教える能力が必要です。テキストにとらわれず柔軟にレッスンを進めることや、相手の表情を見て話題を変える能力も大切です。

英語力は必須です。TOIECスコアや英検の級は明示されていませんでしたが、生徒さんからかなり込み入った質問をされることも多いため、ビジネスで使えるレベルの英語力は必要です。また英語との違いを聞かれることも多いので、英文法もしっかり理解しなければいけません。

Q:日本語教師(国内)の求人情報は、どこで得ましたか?
求人情報のサイト
その他求人情報 日本語教師養成講座:ヒューマンアカデミー

日本語教師全般に関する質問

Q:もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

文学部出身で、もともと日本語などの言語に興味がありました。あるとき、スペイン人の友達に日本語を教えてほしいと言われました。そこで、教えるのがとても楽しかったことと、日本人なのに日本語の質問に答えられなかったことがショックだったことから、本格的に勉強を始めたいと思いました。

当時はフルタイムで仕事をしていましたが、夜間や休日を利用し養成講座に通って日本語教師を目指しました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

新しいことを教えると、生徒さんはみんなとてもうれしそうな顔をします。その表情を見たとき、日本語教師になってよかったなと強く感じます。レッスン以外でも、プレゼンの自己紹介やコーヒーの注文など、日本語でうまくできたことを目を輝かせながら報告してくれて、こちらまで幸せな気持ちになります。

また、生徒さんからだけでなく、部下の方や秘書の方からも「コミュニケーションが取りやすくなった!」と感謝してもらえます。

生徒さんは日本に住んでおり、日本で仕事をしているためどうしても日本語が必要です。このため、海外で教えるよりも生徒さんのモチベーションを保ちやすいし、上達も早いと思います。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?それはどうしてですか?

やめたいと思ったことはありません。中には覚えるスピードが遅い生徒さんもいますし、準備にとても時間がかかることもあります。でも、私は日本語や日本語を教えることが大好きなので、それを苦と思ったことはありません。たくさん時間をかけた分、生徒さんに理解してもらえた時の喜びも多いし、自分自身も成長できていると実感できます。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

【学生の方へ】
日本語教師になるにあたって、大学での専攻は特に重要ではありません。もちろん日本語教育を専攻すれば最短で日本語教師になれますが、養成講座420時間修了か、日本語教育能力検定試験合格で就職ができます。

大学卒業後すぐに日本語教師になる人もいますが、一般企業に勤めてから転職する人も多いです。経験なしから入ると給与が少し低いため、かけもちで仕事をした方がいいでしょう。まずは未経験のための研修制度がある学校で経験を積みましょう。

日本語という言語が好きで、身の回りの日本語に常にアンテナを立てられる人が日本語教師に向いています。また、さまざまなタイプの生徒さんがいるので、高いコミュニケーション能力も必要です。

【社会人の方へ】
日本語教師になるためには、日本語講師養成講座で420時間の授業を受けるか、日本語教育能力検定試験に合格する必要があります。大きい学校の養成講座では夜間や休日のクラスもあるため、働きながら勉強することは決して難しくありません。自分で勉強して検定試験に合格することも可能ですが、模擬授業や教案の添削をしてもらえる養成講座に通うことをおすすめします。

企業向けの日本語教師では、ビジネスマナーなども教えるため、社会人経験必須のところも多いです。日本語学校でも年齢制限はあまり設けられていないので、未経験でも働ける場所はたくさんあります。

↑ ホームへ戻る

P C S P