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海外日本語教師経験談

カンボジア 日本語学校(2018年) 学歴も様々で苦労も多いが、パワフルで楽しい

👩 りおんさん・ 26歳

総評

  • カンボジア 日本語学校
  • 雇用形態:常勤講師 *非正規雇用・フルタイム
  • 期間:1年 (2017~2018年) *現在も勤務中
  • 月収:5万円 (500US$) *なんとか生活できる
  • 勤務時間:1日7時間 週5日勤務   *残業:勤務以外の時間に授業を考えたり、プリントやテストを作成する 週に平均5〜8時間程

カンボジアで、主に実習生として日本に渡航したい学生を対象に日本語指導を行っております。私が指導している学校では入学時の学歴の規定がない為、学生の教育のバックグラウンドは様々です。

カンボジアは日本と違い、貧しい家庭では農作業や家業を手伝う為小学校中退が多いのも現状です。私の担当は初級レベルの為、小学校中退・小卒・中卒・高卒の学生を同時に教えております。勉強するという事自体に慣れていない学生には、勉強の仕方や暗記の仕方を教えるところからのスタートでした。語彙や文法を教える際は必ず例文やシチュエーションを提示するようにしています。絵を描いたり、似ているカンボジア語と結びつけたりして生徒全員が楽しんで勉強できるように心がけています。

学生の「日本語を学びたい、話せるようになりたい」という気持ちはとても強いです。その為、私が学生に励まされることも多いです。日本では自ら手をあげて発言する学生が少ないように感じますが、ここではそういった点で困ることはないと思います。質問がある際は積極的に手を挙げて発言をしてくれます。

但し、授業の開始時間・欠席の事前報告等に関してはかなりルーズです。時間や出欠の管理には苦労することがあります。学生のほとんどが村の自由な環境で育っている為、考え方も大変自由です。純粋で熱意はありますが、協調性に欠ける点があります。授業の間集中してもらうのに苦労することもあります。

カンボジア国内において20代の世代が一番多いため、みんなパワフルです。そんな学生たちのお陰で楽しく授業を進めることができています。只、学生の年齢が18歳〜30歳なので、私(26歳)よりも年上の学生がいます。

学則が厳しい為、学生の態度で困ることはあまりないですが、慣れてくると友達のように接してくる学生もいます。この国で指導をする際は「学生になめられないように気を付ける」ということも重要なポイントかと思います。

日本語教師として苦労したこと、戸惑ったことはありますか?

識字率がほぼ100%の日本ではあまり考えられない話かもしれませんが、母国語のカンボジア語が書けない学生もいます。

クラスにそういった学生がいる場合、単語のテストで日本語をカンボジア語に訳すという事が出来ません。カンボジア語を見て日本語に翻訳するスタイルで統一したり、絵をみて日本語を書いてもらうように工夫をしています。

給与

月収:5万円 (500US$)
なんとか生活できる

カンボジアではビザの他に労働許可証「ワークパーミット」が必要です。こちらも費用がかかりますが学校が負担、手続きをしてくれています。

カンボジアでの生活はどれくらい現地の生活に慣れる事が出来るかというのが重要なポイントです。地方都市で、ある程度のアパートの個室(ワンルーム)は US$70/月からあります。

但しこの値段だとエアコンなし(扇風機のみ)、シャワーがお湯じゃない場合(水のみ)がほとんどです。エアコンやお湯シャワーのアパートの最低ラインは現在US$150/月ぐらいです。

食費も現地の食事で問題なければ一食US$2程あれば十分です。日本食レストランは安くても1食US$5くらいからでしょうか。

給与の詳細を読む...

給与

  • 月収:5万円

月収の内訳

  • 基本給:5万円

待遇

  • なし

雇用形態

  • 常勤講師 *非正規雇用・フルタイム

勤務時間

  • 1日7時間 週5日勤務   *残業 勤務以外の時間に授業を考えたり、プリントやテストを作成する 週に平均5〜8時間程

長期休暇中の給与保証

  • 仕事はないが、給料は支給される

授業形態・勤務スケジュール

スケジュール管理で大変だったことは?

教科書だけだと学生が飽きてしまうので課題に沿ったプリントやプリントを作成するようにしています。帰宅後は他の仕事もしているので、時間がうまく使えず、以前はどうしても教科書を基本に指導していました。

現在は毎朝1時間程早起きして、授業準備の時間に当てています。カンボジアは1年中暑いのですが、朝は比較的涼しいので集中して取り組むことができます。

授業形態やスケジュールの詳細を読む...

主なクラスの授業形態

  • クラス授業  1クラス10〜15人

学習者層

  • 18〜30歳ぐらいまで

スケジュール

月〜金曜日
  • 8:00〜12:00  初級クラスを3コマ
  • 12:00〜13:00  昼食休憩 → 他の先生と情報交換をしたり、学生の宿題チェック
  • 13:00〜16:00  初級クラスを3コマ
※帰宅後は翌日の授業構成を考えたり、プリントや小テスト作成等1時間程作業を行います(出勤前の朝の時間にやる事もあります。) 休日:土日
基本的に休みです。
月に一度試験があるのでその際は試験作成に2~3時間程費やしています。

カンボジアで日本語を教える前に準備すべきだったことは?

日本のお金は全種類用意しておくといいです。現地で生活し始めると両替してしまって手元に揃っていないことが多いですが、学生は実際のお金を見たいようです。

他に日本の四季や行事を紹介するような本があると学生に日本の事を説明しやすいかと思います。

教案作りで参考にしているサイトは?

  • 日本語教師の教案
    教科書の文型や指導方法がまとまっているのでこのサイトの教案をアレンジして授業構成を考えています。

教案作りで参考にしている書籍は?

就職活動

この日本語学校で働くきっかけ・決め手は?

前職が現地の旅行会社勤務でした。一緒に働いていた日本語ガイドの日本語力に感動したことがきっかけで、日本語教師の職業に興味を持ち始めました。丁度転職を考えていた時、知人から紹介があり日本語教師を始めました。

現地で日本語教師の需要はどのくらいありますか?

観光業では日本語ガイド、ホテルやレストラン、旅行会社での業務にて日本語の需要があります。カンボジアは大変親日国です。観光客は韓国・中国の方の方が多いですが、それでも日本が好きなので日本語を学びたいという人は多いです。

最近はカンボジアで外国人技能実習性の送り出し機関が増えているので送り出しのための日本語学校も増えています。

この日本語学校で求められる資質や資格、経歴や語学レベルは?

特に海外で指導する際は自身で第2言語をある程度のレベルまで習得したことがあると教えやすいと思います。習得した言語がその国の言語でなかったとしても、言語習得の過程はどれも似ているので、授業の進め方の参考になります。勉強をする学生の心境もよくわかります。

就職活動で参考にしたウェブサイトは?

  • 現地での紹介
    特に東南アジアではあまり信頼できない日本語学校もあるのが現状です。一度、旅行でもいいので現地に出向いて現地の日系の旅行会社のツアーに参加したり、ボランティアの体験をするのがおすすめです。日本語ガイドや現地で日本語が上手な人たちから得る情報の方がインターネットより確実だと思います。

国選びで重視した点

  • 治安
  • 気候
  • 渡航経験があった

現地における日本語教師の需要・将来性

  • 一部に人気があり、数は少ないが求められている

就職 教育機関選びで特に重視した点

  • 必須資格
  • 学校の規模

応募時に必要とされた資格

  • カンボジア語の日常会話必須

就職 選考方法

  • 紹介のため試験なし

日本語教師全般に関する質問

どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

ガイドやホテルスタッフ等、日本に行った事もないのに日本語が上手に話せるカンボジア人が周りに数多くいた事がきっかけです。

現地在住の外国人からも日本語を教えて欲しいといわれる機会もよくあったで新しいスキルを身につけようと思い、挑戦する事にしました。

「日本語教師をやってよかった!」どのような時に実感しますか?

カンボジア語が十分に書けない学生から日本語で手紙をもらった時、学生が日本語で冗談を考えて、話しかけようとしてきた時、日本国内での就職や日本語を使う仕事が決まったと報告をもらった時等です。

学生のみなさんへ 進路についてアドバイス。

養成講座に参加したり、試験を受けて資格はとっておいた方が良いと思います。面接に合格する確率が上がるだけでなく、就職の際給料の面で待遇が変わってくると思います。

また、機会があれば日本語教師の体験をしてみるとと思います。東南アジアでは短期ボランティア等も募集しているので気軽に体験が出来ます。日本語教師が自分に向いているかどうかも良くわかるかと思います。

社会人のみなさんへ 進路についてアドバイス。

日本語の指導をする場合、ご自身が第2ヶ国語が話せると教えやすさが上がると思います。

転職等を考えていらっしゃるのであれば資格はあった方がいいです。もし悩んでいるのであれば、国内の日本語学校の見学に行ったり、海外の日本語指導の短期ボランティアに参加したり小さくてもいいので行動を起こすのが第一歩だと思います。

カンボジアで日本語教師を目指す方へ心構え・アドバイス。

日本語教師の仕事は意外と体力を使います。体調を壊すと仕事ができなくなってしまうので、栄養と睡眠は以外と重要です。学校で保険加入の待遇がない場合、出来ればご自身で保険に入った方がいいと思います。

この国の方達は愛国心が強いので、少しでもいいので現地の言葉を習得してから行くと良いと思います。日本語が教えやすくなるだけでなく、学生からの人気も上がると思います。

南・東南アジアの国・地域別 経験談

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