元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師経験談:中国の民間日本語学校

情報公開日:2013/11/10

海外での日本語教育経験に関する質問

pingguoさん(34歳・女性)  *現時点
国名 中国
期間 4年 (2009年1月~2013年1月)
派遣先 民間日本語学校
給料 月 7千 元
日本円に換算して 月11万2千円
*現地で生活をするのに十分
派遣先での日々のスケジュール 週休2日/曜日は応相談
授業形態 ・クラス授業 1クラス2~10人ぐらい
・プライベートレッスン

Q:中国での日本語教師経験について総合的な感想

中国において日本語教育の需要はまだまだ大きいと感じました。

特に若い世代の間では留学や仕事の目的のみならず、日本のアニメやドラマの影響で日本語に興味をもつ人が増えています。

それで、どこのクラス及び学校で授業をするにしてもまずは生徒一人一人の目的や興味に合わせて授業を展開していくことが求められます。

クラスの生徒の日本語を学ぶ理由や動機は様々なので全ての生徒の要求を満たすことはできませんが、ほとんどの生徒は外国人の先生が好きです。好奇心でいろいろ質問してきますし、いったん会話が盛り上がるとなかなか授業が進みません。

でも、そういう時間も日本語を学ぶ生徒にとっては必要だと思っているので、教科書の内容を進めることにはあまりこだわりませんでした。

でもそのためにクレームがくることもありませんでしたし、学生たちからも口語が上達したと感謝されることもあったので、おかげさまで楽しく仕事をすることができました。

Q:どのような経緯で中国で勤務することになりましたか?

先にも書きましたが、まず友人のつてで語学留学のために中国へ渡り、生活費をまかなうため外国人向けの青年旅行社のアルバイトに応募しました。

そこは不採用だったものの、そこの日本人のオーナーから知り合いが日本語教師を一人探していると聞き、面接に行ったところ即日採用されました。

塾講師の経験はあったものの、日本語を教えたことは全く無く、まずは10日間の研修を受け、それから初級の授業を担当させていただきました。

Q:中国の日本語教育事情をお聞かせください。

最近では大学に日本語専門学科を設けているところも多くなっているので、日本語学科の大学の講師の需要があります。

ただし、大学で勤務する場合、学歴や資格などを求められる場合があります。給与は大学によって差がありますがだいたい相場は一ヶ月5000元から7000元程度です。その他に医療費の一部負担や旅行費帰国費用の学校負担などがあります。

もっとも需要があるのは民間の日本語学校の教師です。各学校にはほとんど常勤の外国人の先生がおり、その他非常勤の先生もいます。

募集はそのつどインターネットなどに掲載されます。給料は大学ほど高くありませんが。常勤の先生以外は時給制でだいたい1時間あたり50元から70元くらい。よくても100元くらいです。

その他の需要といえば、会社内での日本語教育の需要があります。これは、日系企業内やまた日本と取引をしている会社内で勤務している社員に日本語を教えるというもので、レベルは社員によってまちまちです。

また求められる日本語能力のスキルが初級からビジネスレベルまで様々なため、日本語教師の初心者向けではないといえます。給与形態は民間の日本語学校から派遣されるか、直接その会社に雇用されるかで異なります。

Q:現地でどのような日本語教師が求められると思いますか?

どこの学校でもたいてい人気があるのは明るくてユーモアのある先生です。
いくら学歴や知識があっても、性格が暗かったり内気だったりすると、せっかくのスキルも学生には伝わりませんし、生徒も先生に近づきにくいです。

中国語が少しでもできたほうが有利ですが、それ以上にコミュニケーション能力が求められると思います。

また正しい日本語や礼儀、マナーなどをきちんと生徒に伝えられる教師も求められています。最近ある大学で、日本人の教師が学生の前で大変卑猥及び失礼な言動をとったことでクレームがきて、その学年の授業を担当できなくなりました。同じ日本人教師として恥ずかしいです。

また、日本語コーナーなどで一般の方とも交流する機会がありますが、プレゼンのときに声が小さいと言われた先生がいます。やはり大勢の人の前でも明るく元気にふるまえる人柄が必要なようです。

Q:現地で苦労したことは?

交通の便が悪いことです。通勤に使うバスは時刻どおりに来ませんし、通勤帰宅ラッシュのときには大勢の人がバスに乗り込むため、乗れないことや降りられないこともあります。時間に余裕をもって家を出ないと危うく遅刻しそうになります。

また、市場で買い物するとき値段がほとんど言い値なので、油断していると高く買わされます。かといってスーパーで買い物するとピーク時にはやはり大勢の人がレジに並ぶので時間がかかります。

あと、新築の家でもなぜか家の中の備品がよく壊れます。シャワーのお湯が出なかったりトイレが詰まったり、ガスコンロの火がつかなかったりして、そのたびに修理屋さんをよぶと時間どおりに来ないので一日中家で待たされたりします。

Q:現地に行く前にもっと準備すべきだったことはありますか?

私の場合は現地に下見をせず直接行ったので、衣類や食べ物などに困りました。

何が売っていて何が売っていないか現地で直接見てみないとわからないで、できれば下見をするか、現地の事情に詳しい友人などに聞いて必要な食材や衣類などは買いそろえておいたほうがいいと思います。

とくに衣類は現地で買おうと思っていてもなかなか思いどおりのものが売ってなかったりあっても日本で買うより高かったりするので、注意が必要です。

あとは、国際キャッシュカードを作っておくかクレジットカードを作っておくことです。

Q:中国の求人情報はどこで得ることができますか?

私は現地へ行ってから仕事をさがしたので、日本にいるときにはほとんど求人を見たことはありません。もしインターネットで日本にいる間に仕事を探したいのであればカモメ求人サイトがお勧めです。

ネットの検索エンジンに「カモメ中国求人」と入力すれば検索できます。または中国のサイトに直接アクセスすることもできますが記載が中国語なので、中国語が少しわかる方であれば利用できると思います。

たとえば中国で日本語教師をやりたい方あればまず中国の検索エンジン「百度」にアクセスしそこから「日本語教師募集」といったキーワードを打ち込んでいけば検索できます。まずはいろいろなところへ履歴書を送り担当者からの返信を待つといった方法がほとんどです。

Q:中国で今後日本語教師として働きたい人へ、
 どんなアドバイスをしますか?

ぜひ、目標をかなえてほしいと思います。学歴や教師経験の有無など気にせず、自分のもっている経験を生かして自信も持って仕事に臨んでほしいです。

まずは学生と仲良くなることを一つの目標にしてもいいのではないかと思います。教育には信頼関係が欠かせないので。

また、日本についていろいろ質問されるので、意外と知らない日本の文化や歴史などをもう一度復習してみてもいいと思います。

あまりにも最近の流行などについて知らないと、現地の若い学生たちの話題についていけないことがあります。時事問題も軽くチェックしておくとのちのち役に立ちます。

日本語教師に関する質問

日本語教師歴 4年 (2009年1月~2013年1月)
*現在は日本語教師ではありません
その他の海外教師経験 なし
資格・課程 ・短大
・中学校家庭科教員免許
日本語教師へ転職前の職 塾の講師

Q: もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

中華料理店でアルバイトをしていたときに数人の中国人スタッフと仲良くなり、それを機に中国語を勉強するようになりました。

ちょうど同じ時期に友人が中国で日本語教師の仕事をしており、中国へ来てみないかと誘いがあったので、語学留学を兼ねて中国へ渡りました。

渡った当時はお金もあまりなかったので、生活費をまかなう為に外国人向けのアルバイトの求人に応募し、だめもとで面接に行った日本語学校で日本語教師に採用されました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

日本語を学ぶ学生たちが本当に熱心に目を輝かせながら授業に臨む態度を見たときに、日本語教師をやってよかったと感じます。

大学などで日本語を学ぶ生徒の中には第二外国語として日本語を専攻する人もいますが、そのような場合単位を取ることに重きが置かれあまりやる気のない生徒も中にはいます。

日本語学校の少人数クラスではそのようなことがほとんどなく、だいたいの生徒は日本語を学びたいという意欲に満ちているのでやる気を起こさせる必要がありません。

また若い人から社会人まで様々な年代の学生たちと交流し、より互いの国の文化や習慣を知ることができるのも日本語教師ならではのメリットではないかと思います。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

数年日本語教師をやっていると、やはり教育制度の壁にぶつかります。学校や学生側の要求にこたえられないときや、テストの成績が悪かったときなど責任を感じますし、自分の指導方法に問題があるのではないかと悩んだこともあります。

また若い世代の学生の中には非常識な行動をとる人も多く、特に大人数のクラスの場合、他の人に迷惑がかからないよううまくまとめるのに苦労しました。

教師というのはどうしても人を相手にする職業なので、これが絶対に正しい方法だというものがないような気がします。問題は必ずありますし、そのつど方法や考え方を調整していかなければならないので、完璧にできたと思ったことがありません。

他の職業と比べて成果が目に見えにくいというのも落胆して教師を辞めたいと思わせる要因になっていると思います。

Q:今後どのような日本語教師を目指したいですか?

もしまた日本語教師をさせていただく機会があれば、やはり少人数制のクラスで会話を中心とした授業をやりたいです。

また、リラックスした楽しい雰囲気の中で言語だけでなく文化や習慣、流行など様々な分野を取り上げ、学生たちがもっと日本語だけでなく日本という国そのものに対する理解を深め、更に関心を高めることができたらと思います。

特に近年日中関係が緊張していますから、せめて個人間での交流は温かいものであってほしいと願います。教育を通して少しでも偏見や誤解を和らげるのに貢献したいです。

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