元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師経験談:ニュージーランドの高校・中学

情報公開日:2014/01/12

海外での日本語教育経験に関する質問

Mikawayaさん(40歳・男性)  *現時点
国名 ニュージーランド
期間 14年 (2000年1月~2013年12月)
派遣先 高校・中学
給料 月 4,300 NZ dollars
日本円に換算して 月36万5千円
*現地で生活をするのに十分である
滞在中、派遣先が負担したもの 全て自己負担
派遣先での日々のスケジュール 平日 8時半~4時 土・日・祝 休み
授業形態 クラス授業 1クラス 10-20人 ぐらい

Q:ニュージーランドでの日本語教師経験について総合的な感想

ニュージーランドでの日本語教師といえば高校か大学で教えることになるので、給料は他の仕事と比べても平均よりいいほうです。

また、年間40週の週休二日制なので実務は年間200日(40週×5日)です。とにかく休みが多いです。日本の教員は部活などで休み中に学校に行く先生方が多いと思いますが、ニュージーランドでは休み中に部活を見る先生はほとんど皆無です。

この国の日本語教師の皆さんは、大好きな仕事で給料も多くもらえて休みも多いという天国のような状況です。私はこの仕事をニュージーランドで得られて大変満足しています。

Q:どのような経緯でニュージーランドで勤務することになりましたか?

学生時代から教員になりたいと思っていましたが、いきなり先生になるのはいやでした。なぜかというと、物を売ってお金を稼ぐという大変さをまずは知るために民間企業に勤めました。日本で働いていた会社の海外担当の部署にいたので、英語を使うことが日常でした。

次第に英語をもっと上手に使いこなしてみたいと思っていたところ「ボランティア日本語アシスタント教師」の広告を目にしました。これなら、英語も教員もできると単純に思いニュージーランドに渡ってきました。

ここに来て最初の2週間ぐらいで天職を見つけたと思いました。それからはどうやったら正規の日本語教師になれるかを調べ、入学試験を無事に突破しNZ国立大学の教育学部に入り、NZの教員免許を取得し現在に至るわけです。

Q:ニュージーランドの日本語教育事情をお聞かせください。

基本的にほとんどの学校が第二言語は選択科目なので、受講する生徒の数が少なくなると、最悪の場合は日本語が選択科目からなくなるということもあるので、ある意味プロのスポーツ選手のように結果を出さないと来年安泰ではないという精神的不安を抱えて日々精進しています。

2005年以降ニュージーランドでの日本語を勉強している高校生の数が国全体で落ち込んでいるのが、今ニュージーランドで日本語教育に携わっている人間の悩みの種ですが、日本語教師が魅力的で生徒を飽きさせない授業を展開していればそのような心配事は関係ないと思います。

また、日本語教師の異動があまり無く欠員がでないので、10年ほど前と比べてニュージーランドで日本語教師の職を得ることは難しくなっています。

Q:現地でどのような日本語教師が求められると思いますか?

私の場合は日本語教師というよりは教師(専門日本語)という解釈のほうが正しいかと思います。公立の高校ですので、日本語だけを教えていれば言いというわけでもないので、教師としての資質、ニュージーランドの教育省の教育理念を十分理解していることが最低条件です。

日本語に限らず他の教科もそうだと思いますが、私語がとても多いお国柄なので、クラスコントロールが上手でないと日本語を教えることがまともにできません。

それと、日本人の生徒のように宿題を毎日するという癖があんまりついていないので、宿題を定期的に提出させる厳しい教師も重要です。

最後にのんびりとしたお国柄です。提出物の期限が近づいても何もはじめていない生徒が少なくありませんから、生徒の時間管理、提出物管理が上手であることが求められます。

Q:現地で苦労したことは?

これは段階があるのですが、最初の3年は苦労しました。何が苦労したかというと、まずは英語でしょうね。授業で使う英語は結構限られていますし、授業中は日本語をできるだけ使うようにしていますから問題ありませんが、それ以外の事、つまり親子面談、事務方や生活主任とのやりとりや、時には親に電話して態度の悪い生徒について話し合うことも多々です。

次に苦労した点といえば、日本のように教科書検定をとおった教科書があるというわけではありません。ニュージーランドでも日本語の教科書はあるのですが、どれもオーストラリアのカリキュラムにそったものばかりで、ニュージーランドのカリキュラムに沿った教科書を作るには、自分でもう一度使える教材を洗い出し副教材を作ります。これが一苦労でした。

この2点です。あとは慣れで何とかなりました。

Q:現地に行く前にもっと準備すべきだったことはありますか?

私の場合は英語です。いまでこそ何ともありませんが来たてのころは本当に苦労しました。現地の言葉ができると本当に生活していく上で楽です。ストレスもたまらないことでしょう。

私は男なので料理・裁縫はできませんでした。今でも裁縫はだめですが。料理は上手なほうが良いです。私のすんでいる街では日本の食材は日本に比べたら全然無いので、限られたものを使って日本料理に近づける努力をしました。

裁縫は大事ですね。特にミシンが使えたら鬼に金棒です。日本みたいに安価で何でもそろっている国は他にはあまり無いでしょう。破れた靴下・ストッキングを平気で履いている生徒はかなりいます。

Q:ニュージーランドの求人情報はどこで得ることができますか?

  • Education vacancies
    ニュージーランドで高等教育機関以外の教育関係の仕事を探すには、このサイトをニュージーランド人も使用しています。
  • ニュージーランドの国立大学教育学部
    ニュージーランドで日本語教師になる場合はニュージーランドの国立大学教育学部を卒業しなければなりません。そこで色々なトレーニングをしてくれる担当教官は就職先の情報をたくさん持っている場合があります。
  • メーリングリスト
    ニュージーランドの日本語教師のメーリングリストです。ここでもよく正規もしくはアシスタント教師の募集をしています。

Q:ニュージーランドで今後日本語教師として働きたい人へ、
 どんなアドバイスをしますか?

どの国で働くのもそうなんでしょうが、やはり外国で働くということは文化、習慣の違いから慣れるまでストレスがたまるものです。そのストレスを乗り越えるだけの高い志がないと、長続きはしないでしょう。

日本語教師の場合は、生徒の日本語が上達することによる国際貢献、ひいては日本に間接的に貢献できるということになるでしょうね。

私はたまたま最初の1年間はアシスタント教師で来たので、ニュージーランドの生活、文化、習慣を十分な時間体験することができ、その上で日本語教師になりたいという気持ちが自分の中に確認できたのでよかったです。

もし、これがいきなり知らない国に行くとなると、日本語教師の仕事以外の事で時間を費やすことになるでしょう。まずは旅行でもいいので、その国に一度行ってみることがいいと思います。

できれば、その国で日本語教師をなさっている方を見学できればもっと良いことでしょう。「百聞は一見に如かず」です。

日本語教師に関する質問

日本語教師歴 14年 (2000年1月~現在)
現在も日本語教師の職に就いています
(New Zealand 公立高校)
その他の海外教師経験 なし
資格・課程 大学 副専攻
日本語教師へ転職前の職 システムエンジニア

Q: もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

学生時代より教員になりたいと思っていたのですが、卒業後すぐに教員にならずに一度民間の企業に就職してから教員になろうと思っていました。

就職先で海外の部署に配属され英語を使うようになり、もっと英語力をつけられ教員にもなれる理想の職業を探していたら、外国で日本語を教えるこの仕事に出会いました。

はじめは日本語教師アシスタントとして一年色々な体験をし、これならやっていけるという自信、この仕事をしたいという願望があったので、ニュージーランドの国立大学の教育学部に入りなおし、ニュージーランドの教員免許を取得し現在に至ります。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

もちろんいくつかがあるのですが、一番はやはり生徒の日本語が上達しているのを肌で感じた時です。学習一年目などは本当に挨拶程度、あとは数字、ひらがなが読める程度のレベルですが、日本で言う高校三年生ぐらいになるとかなり日本語を使ってコミニケーションをとることができます。

それから、私の場合はニュージーランドの公立高校ですが、日本で言うと中学高校の一貫校と同じ扱いになると思います。

生徒の人生を方向付ける一番大事な時期に日本語習得に携わり、大学卒業後に日本語を使った職業に就いて日本とニュージーランドの架け橋となって社会に貢献している生徒を見ると、やはり日本語教師をやっていて本当によかったと思います。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

正直私の場合は一度もやめたいと思ったことはありません。ただ、周囲の日本人の日本語教師の方を見ていると(特に配偶者が日本人では無い方は)、ニュージーランドで日本人が仕事を探すにあたり、特別なスキルがないのであるならばかなり限られてきますので、好きで日本語教師になったわけでは無い方が時々おります。

そのような方たちは、どうしても生徒と接するにあたりストレスがたまるようで、離職なされる方はよくいると思います。

このストレスということに限っては、日本人だけでなくニュージーランド人も同じような理由で離職される人も多数いるのが現状です。

Q:今後どのような日本語教師を目指したいですか?

日本語教師としてのビジョンは私の中で今も昔も今後も何の変わりもございません。日本語、日本文化をニュージーランドの生徒に正しく伝え両国の架け橋となる人材を育てること、日本人日本語教師の数は少なく、ニュージーランド人から見れば私が日本という国、日本人そのものですので、国を代表している意識をもって今後も日本語教師という仕事を全うしていきたいと思っています。

新しいことにチャレンジという点では、高校生以外の人たち、小学生や大人にも日本語、日本文化を紹介できる機会を作れればと思っています。

Q:教案作りで参考にしている、重宝しているサイトや書籍はありますか?

1. NHK news web easy http://www3.nhk.or.jp/news/easy/
対象学年 高校2、3年生 
まずは興味のあるようなニュースを最初に聞かせてわかった内容をノートに書かせます。そのあと、同じニュースを2回聞きます。そこで聞き取れた内容をもっと詳細にノートに書いて最後に参加者全員で聞き取れた細かい内容を答えあわせをします。これがおわったらニュースの記事をプリントしてわからなかった単語、漢字を黒板に書き各自が自分の単語帳に書き足します。

2. 「人と人とをつなぐ日本語クラスアクティビティ50、アスク社」
全学年に対して使っています。とくに話すアクティビティをよく使います。特に午後の授業などは集中力が切れることがおおいので私語が多くなりがちです。どうせ話すなら日本語を使って話して欲しいので大変役に立っています。

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