元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

ベトナムの企業 経験談

カリキュラム開発などクリエイティブな仕事ができる

公開:2017/11/17

megu(女性・40歳) 
日本語教師歴 1.5年 (2016年~2017年)
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程 大学 日本語教育副専攻
ベトナムの企業
経験詳細
  • 地域:ハノイ
  • 月収:100,000円(20,000,000VND)
    現地で生活をするのに十分
  • 専任講師(正規雇用)
  • 1.5年(2016年~2017年)
    *現在も就労中

日本語教育に携わるようになったきっかけは、日本における教育事業の経験を活かして、海外で新しい教育を提案してみたかったからです。現在、私がかかわっている日本語学校は、通常の日本語教育の方法に即さない授業が含まれています。たとえば、受験クラスの場合は『みんなの日本語』を1回で2課進める(通常は1課を三分割が主流)、日本の義務教育を受けた学生に対しては小学校の国語に近い授業を行うなどです。

日本の義務教育経験者やベトナムの高校の日本語専攻受験者を対象とする授業や、子供の知育教育が開講されており、そのカリキュラムの開発にも関わっています。保護者や学生の日本語教育に対する関心も高く、教歴が少ない先生の場合、交代をリクエストされることもあるため、メンタル面におけるサポートもしています。

ハノイの観光地から離れた場所であるため、生活に関わる品物や食べ物の値段が全体的にひかえめです。お給料は、日本を基準にすると安いと感じがちですが、かなりゆとりがあります。しかし、将来的に日本に帰るとなると、年金を支払うなどの余裕がないことから、不安を感じる部分もあります。

スケジュールは、日本語学校を経営している会社の仕事もあるため、時期によってはかなりハードになります。ベトナムは、週休1日が一般的であり、私の会社もそれに沿っているため、もう少し休みが欲しいと感じることはあります。

Q:現地で苦労した事、戸惑った事はありますか?

ベトナム人の学生は、面白いことをとても好みます。まじめに勉強したい学生もいますが、全体的に、楽しく、面白い先生を好みます。そのため、とくに初級クラスの場合、日本語が十分に伝わらないので、いかに楽しませるのか、コミュニケーションの方法に迷うことが多くあります。

英語を多用すると、日本語を覚える機会が少なくなるため、簡単な言葉の他、ボディーランゲージを使ったり、その場で絵をかいたりします。英語をむやみにつかうより、学生も楽しんでくれます。

『みんなの日本語』をつかわない、オリジナルのカリキュラムの授業も多いため、他の教員との協力に苦労することが多くあります。学生の日本語習得レベルの幅の広さに、日本語教育のカリキュラムが十分に追い付いていない印象もあります。例えば、日本で義務教育を受けたことのある学生は、ベトナム人の先生よりも日本語が上手ですが、漢字や文法の知識は十分ではありません。そのような学生の多くは、日本語学校の入学を断られ、私がいるところに来たという経緯があります。そのような学生に対するカリキュラム開発も必要であると感じています。

給与・待遇

月収 月収:100,000円
月収内訳 基本給:100,000円
現地の月収事情
  • 市民の平均月収
    20,000円(4,000,000VND)
  • 最低限必要な月収
    50,000円(10,000,000VND)
基本労働時間 1日8時間 週6日勤務
残業(時間外労働) 1ヶ月合計30時間
会社の業務
待遇
  • 有給
  • 交通費
  • 保険(会社が8割負担)
教育機関が
用意してくれたもの
  • 住居提供
  • 住居費用負担
  • 家具、電化製品
  • ビザ申請費用
  • 日本との往復航空券
クラスの長期休暇 長期休暇なし  

休日出勤、市外への出張もあります。場合によっては、移動時間が、往復6時間を超える場所もあります。そのため、1日の拘束時間が長くなる時もあります。しかしながら、手当てが付くわけではないので、ジレンマを感じます。

また、会社の仕事が忙しいときは、授業後に残業せざるを得ないため、サービス残業になってしまいます。ベトナムでは、日本よりも残業に対するチェックが厳しくないので、自分で自己管理することが大切になります。

Q:現地における他の日本語学校と比較し、違いは感じますか?

現在、私が勤めている会社の日本語学校は、会社の業務も発生します。そのため、通常の日本語学校よりも仕事の幅が広いと思います。また、複数の業務があるので、休みがあいまいになります。それを考えると、給与の割に合わないと感じます。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態
  • クラス授業:1クラス10人
  • プライベートレッスン
  • 企業研修
学習者の年代
  • 小学生
  • 中学生
  • 高校生
  • 大学生
  • 社会人
1日の時間割 火曜日
  • 初級クラスを1コマ
水曜日
  • 受験クラスを1コマ
  • ※市外への出張
木曜日
  • 企業クラスを1コマ
  • ※出張
金曜日
  • 中級クラスを1コマ
土曜日
  • 日本義務教育経験者クラスを1コマ
  • 子供クラスを1コマ
  • N2家庭教師を1コマ
  • ※出張
日曜日
  • 子供クラスを1コマ
  • ※市外への出張
休日 月曜日
通常は日曜日ですが、授業の都合上、月曜日が休みです。教室の開閉はしています。

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

会社の他の業務も同時に担当しているため、忙しい時期には、授業の準備を確保することが難しくなります。そのため、できるだけ効率的に準備をするように心がけています。忙しい時期を見越して、3か月単位で、まとめて準備するようにスケジュール管理をしています。

また、ベトナム人のパートタイムの先生は、大学生や社会人が多いため、急に授業を休むことがあります。そのようなとき、急遽、授業を担当することになります。慣れない時期は、準備ができないため、大変に感じるかもしれません。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト

Q:現地に行く前に、準備しておくと良いものについて教えて下さい。

とくにありません。それは、日本語の授業をするうえで、ベトナム人に慣れることがいちばん大切だからです。まずはベトナムに来ないと、慣れることはできません。そのため、どちらかと言うと、来越後の方が重要になってくると思います。

就職活動

国選びで重視した点 治安
現地における
日本語教師の需要
人気があり、一定数の学校で求められている
教育機関選びで
重視した点
会社全体の業務
応募時に
必要とされた資格
なし ※大学における教歴が5年あり、それにより内定となりました。
選考方法
  • 書類
  • 面接
面接地 海外:(スカイプ)

Q:現地で、日本語教育の需要はありますか?

小学校、中学校、高校などで日本語の授業が取り入れられているため、日本語に対する関心が高くなっています。日本語学校は、学費の値下げが進んでおり、需要はありますが教員の待遇は悪くなっています。無給インターンの導入も進んでいます。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

これまで、どのような仕事をしてきたのか、具体的に話をしました。それに加えて、渡航可能時期、業務内容について聞かれました。渡航可能時期は、学校運営や授業のスケジュールの観点から、重視している傾向がありました。

Q:強みになる資格や職歴、資質や語学レベルはありますか?

現在の勤務校では、人事も担当していますが、家庭教師や塾講師のアルバイト経験を重視しています。日本語教育の資格を取得しても、実際に授業をするとなると、難しいことも多いので、日本語教育に限らず教歴は強みになると思います。

Q:その国の日本語教師に関する求人情報は、どこで得ましたか?

求人情報のサイト名

Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

会社のほうで教育事業を展開することになり、日本語教育その他の事業に関わることができるため、内定を受けることにしました。日本で仕事をするよりも、多岐に渡る大きなことができるため、ベトナムに移ることを決めました。

日本語教師に関する全般の質問

Q:どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

日本語教師そのものを目指したのではなく、教育事業の運営をするために、結果的に、日本語教育に関わることになりました。日本では、大学で教えていましたが、組織が大きいこともあり、チャレンジできることが限られています。そこで、40歳をまえに、これまでとは異なるチャレンジをしたいと思い、日本語学校の運営に携わることになりました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

日本語の授業を担当して、よかったと思うことは、学生の日本語能力が高くなったとき、受験に合格したとき、留学が実現したときなどです。また、学校の運営の観点からすると、オリジナルカリキュラムが評価され、学生数が増えた時です。自分が授業を担当しているわけではありまんが、クラス数が増えるとやりがいを感じます。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

なし

Q:日本語教師になる為の進路についてアドバイスをください。

【学生の方へ】
大学を卒業した後、そのまま日本語教師になると、その後のキャリアの幅が狭くなる恐れがあります。長い目で考えた場合は、すぐに日本語教師を目指すのではなく、企業などでしっかり働いてから、改めてチャレンジしたほうがいいと思います。

【社会人の方へ】
ベトナムに来る場合、お給料が大幅に減るので、1年目は税金等の対応が大変になると思います。日本語教師として働くにあたり、お金や経験など、自分の優先順位を考える必要があります。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

ベトナムの日本語学校は、学生を確保するために学費の値下げが進んでおり、無給インターンやボランティアも増えています。また、日本語学校を介さないで日本語を学ぶ人も多く、日本語学校の経営は大変になっている傾向があります。

とくに若い人は、自分のキャリアプランをしっかり考えて、日本語教師になった方がいいです。日本でキャリアを積んだ人は、第二の人生ととらえて、お給料面などは割り切って働く必要があると思います。

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