元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

日本語教師経験談:台湾の大学・高校・企業

情報公開日:2013/12/07

海外での日本語教育経験に関する質問

kellygraceさん(59歳・女性)  *現時点
国名 台湾
期間 2年 (2011年9月~2013年6月)
派遣先 ・大学
・高校
・企業
給料 月 2万元
日本円に換算して 月6万円
*なんとか生活ができる。
滞在中、派遣先が負担したもの ・医療保険
・教材費、活動費
派遣先での日々のスケジュール 平日1~3時 大学
平日3~5時 高校
平日7~9時 企業
土・日・祝 休み
授業形態 クラス授業 1クラス 10~30人ぐらい

Q:台湾での日本語教師経験について総合的な感想

台湾は日本語教育が普及しているので、書籍等も大型書店で簡単に手に入れることができます。また交流協会主催の日本語の研修や催し物等があり、日本語の研鑽を深める事ができます。

このような環境は日本語教師にとってかなり恵まれていると思います。治安も安全で反日感情もありませんので、きわめて安全に過ごす事ができます。文化面でもかなり日本に近づいており、日本から海外に初めて出る人にも安心して過ごせる国だと思います。

Q:どのような経緯で台湾で勤務することになりましたか?

前述しましたように台湾の大学をでましたので、母校である大学の事務室に電話を入れ、日本語教師の仕事があいているかどうか確認しました。卒業生という事もあり、二つ返事で受け入れてもらう事ができました。

最初に私の院生時代の指導教官、日本語学科主任、それから日本語学科事務室という流れで連絡しました。電話したのが4月頃だったのですが、既にスケジュール調整作業に入っており、何とか滑り込みで入れてもらいました。兼任講師としての採用でしたので、他校でのアルバイトもすることができました。

Q:台湾の日本語教育事情をお聞かせください。

台湾は大変親日的な国ですから、日本語を勉強する人が大勢います。しかしその日本語を教える、資格を持った教師が不足しています。

特に高校では日本語の先生が不足しており、クラスを開けないところもあります。近い将来大学入試科目に日本語も検討されているようですから、今後ますます日本語教師の需要は増えるでしょう。

大学で教えようと思うなら修士でもいいのですが、博士号をもっていると待遇がとてもいいです。教授になると年間100万元(300万超)が可能です。兼任講師の場合はどの大学も時給550元前後と決まっているようです。高校や企業では時給700~800元でした。いいところでは1000元という話も聞きます。

日本語学校の場合は月2~3万元が標準です。台湾の大学卒の給料が現在2万元ちょっとですから、生活できない金額ではありません。

Q:現地でどのような日本語教師が求められると思いますか?

台湾では日本のものがとても人気があります。特にアニメやゲーム等は日本人より詳しい学生もいます。これから現地で日本語を教えようとするなら、多少アニメ等の話題ができたほうがいいかもしれません。

時々、汚い日本語を使ってくる学生もいます。これは漫画の受け売りのようです。本来の語源を教えると、意味が分かって喜んだり納得したりしてくれます。

また、たまに政治的な事を聞いてくる学生もいますが、目くじらを立てずに笑ってやり取りするくらいのゆとりが必要でしょう。

Q:現地で苦労したことは?

中国語を話す事ができるのですが、完璧ではないので、細かい指示がなかなか伝わらなかったり、コミュニケーションがすれ違う時もありました。

特に試験の時は念を入れて試験方法を説明するのですが、1割くらいの学生がはっきり指示を分かっていなかった事もありました。

試験はやり直しがきかないので、中国語、日本語、図、ジェスチャー等で何とか分からせようと必死でした。また、生徒同士の会話(中国語)がよく聞き取れず、何が問題なのかを把握するのに時間がかかりました。

Q:現地に行く前にもっと準備すべきだったことはありますか?

大学、高校で教えていましたが、まるっきり教材がありませんでした。日本へ帰る度に教材やその材料を買い集めてもって帰りました。

やはり教科書だけでは教えにくいので、視覚に訴えるカード、ひらがな表等できるだけ準備しておいた方がいいと思います。

また、初級者向けに50音の練習帳等も準備しておくと宿題として使う事ができます。

それから日本の写真、特に一般的な生活の様子、町並みとかスーパーの中、電車の様子とか学生服とか。生活に身近なものを提示する事によって、より日本に興味を持ってもらえると思います。日本人にとっては当たり前のものでも、外国人にとってはとても新鮮なのです。

Q:台湾の求人情報はどこで得ることができますか?

私がよくチェックする日本語教師関連のURLです。

また、直接大学のホームページにも求人情報が載っている事もありますので、まめにチェックする事をお勧めします。特に大学は9月始まりですが、前年の12月末前後から2月が締め切りというところが多いです。

Q:台湾で今後日本語教師として働きたい人へ、
 どんなアドバイスをしますか?

是非、知っておいてほしいのが、台湾は日本に50年間統治されていたところという事ですね。そのため日本に親近感を持つ人も多く、日本語を話せる年配の方も多いです。

日本への思い出を美化したのままの方もいますので、常に日本人としてどうあるべきかを考えて失望されないように行動してください。

明るく前向きに、そして美しい日本語を話す事を心がけてください。ひらがなやカタカナの書き順が違う日本人も多いです。慣用句や成句の意味の取り違えをしていないか、今一度確認する事をおすすめします。

また教材関係の準備をしっかりとやっておくほうがよいでしょう。教科書は手に入りますが、教材は売っていません。現地の言葉を多少也とも話せると学生との距離がぐっと縮まります。親近感を持ってくれるようです。

学生達は小さい時から勉強勉強で詰め込まれてきていますから、日本語の授業の時くらい楽しく、カードやビデオを活用して授業を進めたら喜んでくれると思います。

日本語教師に関する質問

日本語教師歴 3年 (2010年10月~2013年6月)
*現在は日本語教師ではありません
その他の海外教師経験 日本 (2010年10月~2011年3月)
資格・課程 日本語教師養成講座420時間
・大学院
日本語教師へ転職前の職 会社員

Q: もともとはどのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

夫の赴任に伴い台湾へ行き、そこで初めて日本語教師という仕事を知りました。元文学少女だった私は、これこそが私のやりたい仕事だと燃え上がりました。

しかし、教師の条件は(日本においての)日本語学科卒業、養成講座修了というものがほとんどでした。そこで一念発起して台湾の大学に入学し、自分の子供のような年頃の若者と席を並べて勉強しました。

その後大学院まで進み、卒業と同時に日本へ帰国、日本語教師養成講座へ半年通いました。足掛け7年でやっと日本語教師としての資格を得る事ができました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

どうしたら分かってくれるか、いろいろと方法を考え、試し、うまく行った時は本当にうれしいです。分からないところが分かるようになったといってくれたり、学生の表情が生き生きとして、充実感があふれる様子を見たりした時は、本当にやりがいを感じます。

学年が変わる頃、先生に来年も習いたいとクラス全員から言われたのは忘れられません。また手の込んだ手作りのカードを作ってくれた学生もいました。本当にこの子達の先生で良かったなあと思いました。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

まだ駆け出しの頃、日本語学校に勤務していたのですが、ベテラン先輩の跡継ぎでクラスをまかされました。まだ引き継ぎもうまく行っておらず、授業内容の突然の変更もたびたびあったりして、とまどうことばかりでした。

そのような状況でしたから学生の目にもベテランと駆け出しの違いがはっきりと分かったのでしょう。次第に私に対する態度がよそよそしくなってきました。最初はあんなに慕って相談事もしてくれていたのにと、悲しくなりました。教師を辞めたいというより、その学校を辞めたいと思いました。

Q:今後どのような日本語教師を目指したいですか?

常に分かりやすく、楽しいクラスを目標にやってきました。今後は教科書や教材を研究し、学生により分かりやすい授業を提供する為に、本の執筆も考えています。その延長線上にe-ラーニングがあります。

日本語を苦労せずに楽しく学習する方法を編み出し、世界中の人に利用してもらいたいというのが夢です。

いつまでも現場に立ち続け、学生とかかわり合いたいというのが本音ですが、数年後には上記のような後方支援に回ろうかと考えています。

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