元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

フィリピンの日本語学校 経験談

海外での日本語教育に現地の言語は必要か

公開:2017/11/20

ayyyyy(女性・30歳) 
日本語教師歴 1.5年 (2016年~2017年)
*現在も日本語教師として就労中
資格・課程 日本語教師養成講座420時間(KEC)
フィリピンの日本語学校
経験詳細
  • 地域:マニラ
  • 月収:80,000円(37,000ペソ)
    現地で生活をするのに十分
  • 専任講師(正規雇用)
  • 1年(2016年~2017年)
    *現在も就労中

勤務中の日本語学校の生徒は全員フィリピン人で、8割以上の人が日本語レベル0です。生徒達が日本語を勉強している目的は、「日本で働きに行きたいから」という人がほとんどです。日本が好きだから、日本に興味があるからという人はほぼいません。

そのため、生徒は就職の事で頭がいっぱいで、日本語学習に対する意欲がやや低いです。日本語が話せないと日本での生活は難しいと何度伝えても、伝わりません。

フィリピン人は素直で、ポジティブ、明るい人が多く、良い点も多いのですが、目先の事しか考えられなかったり、何とかなる精神でいるので、こちらの意図がなかなか伝わりません。

そして、日本語が全く話せない人達への授業は、直接法だけでは上手く進みません。どうしても理解してもらえない文型に関しては、日本語が話せる生徒に、彼らの現地の言葉(タガログ語)で代わりに説明してもらうか、私は英語が話せるので英語で説明しています。

日本語教師求人募集をみると、「語学力不要」とよく書かれていますが、現地の言葉もしくは英語は話せた方が良いと、私は思います。

Q:現地で苦労した事、戸惑った事はありますか?

日本語レベル0の人に直接法だけで授業をするのは、とても困難です。特に文法説明は、英語もしくは現地の言葉を交えて行う方が授業の進行がスムーズです。文法説明後は、オーディオリンガルメソッドを用い、何度も発声練習をし、会話練習を行っています。私は英語が話せるのですが、英語が全く話せない同僚はとても苦労しています。

給与・待遇

月収 月収:80,000円
月収内訳 基本給:80,000円
基本労働時間 1日8時間 週5日勤務
残業(時間外労働) 残業なし
待遇 なし
教育機関が
用意してくれたもの
  • 住居提供
  • 住居費用負担
  • 家具、電化製品
  • ビザ申請費用
  • 日本との往復航空券
クラスの長期休暇 長期休暇なし  

フィリピン人の大卒者の平均月収は15,000ペソです。(大企業を除く)この給料で大家族を養っています。その倍以上のお給料をもらえているので、現地で生活するのに何の不自由もありません。フィリピンは物価が安いので、私ぐらいの給料がもらえると、月に1度国内旅行に行ったり、ジムやヨガに通ったり、高級レストランにも行く事ができます。少しですが貯金もできます。しかし、1度日本に帰るとその貯金は一瞬でなくなります。

それと、フィリピンの医療費はとても高いです。1度激しい腹痛で飲食できなかった時に、病院へ行ったのですが、診察と点滴1本だけで約1万円取られました。

Q:現地における他の日本語学校と比較し、違いは感じますか?

給料、待遇ともに他の日本語学校と大差ないと思います。同じぐらいか、給料がやや下回る学校がほとんどです。一般企業の日本語教師はもう少し高い給料をもらっていると聞いたことがあります。

待遇に関して注意が必要なのは、学校によっては就労ビザを取得してくれないところもあります。ビザ取得には、お金だけでなく学校から発行してもらわないといけない書類がたくさんあります。観光ビザでの就労は違法で、最悪の場合警察に捕まる可能性があります。

授業形態・勤務スケジュール

授業形態 クラス授業:1クラス10~20人
学習者の年代 社会人
1日の時間割 月~金曜日
  • 9:00~14:00(休憩1時間)  
    初級クラスを4コマ
  • 14:00~18:00  
    授業準備
休日 土日・祝日
終日休めていました

Q:日々のスケジュール管理で、ここは大変だった!と感じた点はどこですか?

日本語教師2人で1クラスを担当しており、1日1課ずつ進むため、1日に3〜4つの文型を教えています。授業の準備として、養成講座で習った文型導入の仕方をもとに教案作成、英語での説明文作成、またフィリピン人は長時間授業に集中できないので、1時間に1回ぐらいはアクティビティーが必要です。そのアクティビティーを考えるのにとても時間がかかります。インターネットを用いながら毎日準備しています。

Q:教案作りで参考にしているサイトや書籍があれば、ぜひお聞かせください。

参考になるサイト
参考になる書籍

Q:現地に行く前に、準備しておくと良いものについて教えて下さい。

フィリピンで日本語の教材は手に入らないので、日本語の教え方に関する教科書を一つは持っていった方が良いと思います。また、JLPTを受けたいという生徒がたくさんいるので、JLPTの教え方に関してもっと学習していけば良かったと後悔しています。

それと、JLPTの問題集もあった方が良いです。フィリピンにジャパンファウンデーションという所があり、そこに問題集、テキストは何冊か置いてあります。しかし、平日と土曜日の午前中しか開いていないため、平日仕事の人はなかなか行けません。

年賀状、半紙、墨汁、日本のお金全種類、折り紙を持っていきました。日本の文化を伝える時にとても役立ちます。そして、これらの教材はアクティビティーとしても使えるので、何度も活用しています。特に年賀状を実際に書くアクティビティーは楽しいようです。

就職活動

国選びで重視した点
  • 渡航経験があった
  • 気候
  • 英語が話せる
現地における
日本語教師の需要
人気があり、一定数の学校で求められている
教育機関選びで
重視した点
  • 給与(待遇)
  • 就労ビザ取得
応募時に
必要とされた資格
日本語教師養成講座420時間終了
選考方法
  • 書類
  • 面接
面接地 日本国内:(電話)

Q:現地で、日本語教育の需要はありますか?

フィリピンで日本語教育の需要はあります。日本への技能実習生度があり、これを利用して日本で就労を希望しているフィリピン人がたくさんいます。また、フィリピン国内にも日系企業がたくさんあり、そこでの就労を目指しているフィリピン人もいます。

Q:面接ではどのようなことを聞かれましたか?

フィリピンでの生活は日本での生活と大きく異なるが大丈夫か、ということを何度も聞かれました。生活に馴染めなくて、すぐに日本へ帰国する先生が多いみたいです。また、日本語教師としての経験があるかを聞かれました。私は全く経験がなかったのですが、採用されたので、経験があるかないかはあまり重要ではなかったようです。

Q:強みになる資格や職歴、資質や語学レベルはありますか?

英語が話せる方が、生徒とコミュニケーションが取れるし、授業も円滑に進めることができます。日常会話程度の英語力は必要だと思います。そして、フィリピン人はとにかく明るいです。歌うこととダンスが好きな人が多く、一緒に遊びにいくとだいたいカラオケに行く事になります。強制的に歌わされるので、音痴でもいいので恥ずかしがらずに歌える人は生徒達に好かれます。日本の曲が置いてあるカラオケもあります。

Q:その国の日本語教師に関する求人情報は、どこで得ましたか?

求人情報のサイト名
日本村
各国の日本語教師の求人が載っています

Q:この教育機関で勤務すると決めた決め手、きっかけを教えて下さい。

元々、フィリピンでの就労を希望していました。通っていた日本語教師養成学校の事務の方が、インターネットからこの学校を見つけ、教えてくれました。給料も悪くなく、一番気にしていた就労ビザの取得にかかる費用も学校負担であったので、この学校に決めました。

日本語教師に関する全般の質問

Q:どのような経緯で日本語教師を目指しましたか?

フィリピンへ語学留学へ半年間行き、そこでフィリピン人の彼ができました。フィリピンで働く方法を考えた時に、思いついたのがフィリピンの一般企業に就職するか、日本語教師かの二択でした。日本語教師の資格を取れば、フィリピンだけでなく、他の国で働くチャンスも作れると思い、日本語教師を目指しました。

Q:日本語教師をやってよかった!と、どんな時に実感しますか?

生徒に「ありがとう」と言われたり、「先生のおかげで日本語が好きになりました。」と言われた時に日本語教師をやっててよかった、と思います。生徒達の自宅に招待されて、行ったことがあるのですが、生徒の家族にもとても感謝されました。

Q:日本語教師を辞めたいと思ったことはありますか?

なし

Q:日本語教師になる為の進路についてアドバイスをください。

【学生の方へ】
大学に通いながら、養成講座に来ていたクラスメートがいました。就職活動をする前に資格を取れば、就職先の選択肢が増えるので、大学就学中に養成講座へ通うのは良い方法だと思います。

【社会人の方へ】
社会人が日本語教師になるには、養成学校に通うか、自力で勉強して日本語教育能力検定試験に合格するかの二択だと思います。養成講座だと演習もあるので、養成講座を受講することを強く進めます。私が通った学校は演習の回数が多かったため、授業をすることに慣れる事ができます。この経験は現場でも役に立ちました。

Q:日本語教師を目指す方へ、アドバイスをください。

学校選びは本当に慎重に行ってください。学校によっては、就労ビザを取らず違法で働かされるところもあります。給料面はどの学校も大体同じですので、ビザに関しては必ず確認をした方が安全です。フィリピンは南国特有のゆったりとした雰囲気があり、とても良い国です。フィリピン人もとても楽しい方多いです。フィリピンで働きたい人が増えることを願っています。

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