元日本語教師による
日本語教師の実態レポート

日本語教師になるにはどうすればいいの?資格はいるの?どんな風に教えるの?
具体的な経験を交えながら、教師の仕事について
"元教師"が実態をお伝えします。

京都民際日本語学校 養成講座420時間 口コミ

2014/12/01

総合評価  5.0

最も満足した点 実習内容が充実していた
最も不満な点 その分理論の講義内容がやや物足りなかった
はな(女性・41歳・アルバイト)
年齢・職業 ※通学当時 当時39歳
スクール名 京都民際日本語学校 西大路校
期間 2012年4月~2012年6月 *3ヶ月
講座名・受講料 日本語教師養成講座 合計:480,000円
日本語教師歴 2012年7月~2013年7月 *1年1ヶ月
資格・課程 日本語教育能力検定試験 合格
講座を選びに重視したこと 修了までに要する期間、実習時間の割合の高さ

この講座を受講したきっかけでもありますが、実習が充実していたことが満足度の高い理由です。
実習の授業では、毎回実際の授業を想定した教案を事前に作成しておき、模擬授業を行うというものでした。同じクラスの受講生が学生役になって授業の後にコメントをするという形式なのですが、そのおかげで先生・学生の立場で授業について考えることができました。

毎回ひとコマ60分を想定した教案を作成しますが、模擬授業はそのうちの10-15分程度の導入部分のみです。ただ、できるかぎり60分授業ができるよう教材なども準備するため、その準備作業も大変でした。

私が選択した3ヶ月コースでは、午後に理論(2時間×2コマ)、夜に実習(2時間)というスケジュールになったのですが、空いた午前の時間で実習の準備をしました。そのため、3ヶ月間は養成講座だけにどっぷりつかる感じになりました。

理論の授業は、すでに検定対策の勉強を独学でやっていた自分にとっては、ごく基本的なことがほとんどで、少し物足りないくらいに感じました。おそらく検定対策を考えている人にとっては、授業だけでは不十分だと思います。

全体としては、スクールで実際に行われている日本語の授業の見学や、外国人留学生を対象とした模擬授業などもあって、教師経験のない受講生にとっては授業のイメージもつかみやすく非常に有用な講座内容だと思います。

特に3ヶ月という短期コースは、私にとっては集中力を維持する上で本当によかったです。修了後も、スクールの紹介で1年間中国の日本語学校で教える機会がありましたが、養成講座のおかげで教案作成のための時間の使い方なども自然と身についていて、焦ることなく授業に臨むことができました。

Q:京都民際日本語学校を選んだ決め手は?

理論よりも実習の授業が充実していたことと、3ヶ月という短期で修了できたことの2点が決め手でした。

前者については、すでに検定対策でいろいろ勉強していたということもあって、理論の内容やコマ数などについてはそれほど重視していませんでした。

後者の3ヶ月コースは、3ヶ月で本当に修了できるか不安もありましたが、途中でコース変更や授業の振替も可能だったので、思い切って選ぶことができました。

Q:他のスクールと比較・検討しましたか?

ヒューマンアカデミー、アークアカデミー、大原など。
検定対策の勉強のときから各社のサイトをチェックしていて、大手ならではのノウハウからいろいろ学ぶことも多かったのですが、実習の内容には物足りなさを感じました。

ヒューマンアカデミーには実際に見学にも行きましたが、教室自体がそれほど大きくない京都民際のほうが講師との距離も近くてよいと感じました。

講師・カリキュラム  4.0

実習の担当講師の皆さんには本当にお世話になりました。3ヶ月の間、休む間もなく実習用の教案の準備などに追い立てられている感じもありましたが、作成した教案に担当講師の方がびっしりコメントを書いてくださったのを見ることで大きな励みになりました。

私が受講したときは、スクールの専任教員5人で実習の担当をされていましたが、日本語教師としても尊敬できる方たちばかりでした。

理論の担当講師の方は、検定対策に力を入れてくださる方や、実際の現場の話をしてくださる方もいらっしゃる一方、基本事項の説明で終わってしまう授業もあって、個人的には物足りない感じでした。

ただ、同期の受講生の中には、実習の準備が大変なので、理論はこのくらいで試験もなくて助かったという意見もありました。

授業料  4.0

合計 480,000円
内訳 入学金 30,000円 + 授業料 450,000円 + テキスト代 30,000円
(期間限定割引 -30,000円 )

自分が期待していたとおりの講座内容だったので、コストパフォーマンスという点では満足です。
ただ、おおよそどのスクールでも50万前後かかってしまうと思いますが、他の資格取得と比べると(日本語教師の待遇がそれほどよくないことも考えれば)、高いなぁというのが本音です。

スクールで解決できることではありませんが、例えば日本語教育能力検定合格者については知識部分を免除して、もう少し安い金額で済むような制度があってもよいと思います。

教材  4.0

理論では、各分野の担当講師がスクールで代々使われていると思われるプリントをメインの教材として使っていたのですが、誤字や内容的におかしい部分が修正されずに残っていて、やや準備不足のまま授業をされているような印象の講師も中にはいらっしゃいました(理論担当は専任教員ではなく、他との掛け持ちの方がほとんどだったので仕方がないのかもしれません)。

検定対策用に独自の過去問分析資料を用意してくださった方もいらっしゃったので、講師間の温度差のようなものを感じてしまいました。

スクールの運営スタッフ・サービス  5.0

欠席補講 コースの内容は、3ヶ月ごとのサイクルで繰り返されていたので、次回以降のサイクルで受講することができました。
DVDで代講 そのようなシステムはありませんでした。
交流会 コースの中に、留学生相手の模擬授業や実際の授業見学などがあって、留学生と話をする機会はありました。

小さなスクールだったので、スタッフとも距離が近くてよかったです。気さくでフレンドリーなスタッフがほとんどで、体調が悪いときなども心配してよく声をかけてくれました。

講座修了後も、一般向けの公開講座があるので、ときどき参加しては近況報告をしたり、いろいろアドバイスをいただいたりしています。

その他の質問

Q:どのようなきっかけで日本語教師養成講座420時間に通おうとしましたか?

最初は、地域の日本語ボランティアに興味があり、日本語教育能力検定の勉強から始めました。しかし2回の受検で、いずれも不合格。その後、失業したのをきっかけに養成講座を受講してみようと思い立ち、いろいろ調べているうち、実習の内容が充実したスクールを発見。

自分にとっては大きな投資になるので、受講そのものを最後まで迷いましたが、学校見学に行った帰りに留学生から「先生がんばって」と日本語で励まされたのが、最後の一押しとなりました(そのときはまだ先生じゃなかったのですが)。

Q:日本語教師養成講座420時間を今検討している人に「養成講座の選び方」として どのようなアドバイスをしますか?

自分の中で、比較するポイントの優先順位をつけることが先決だと思います。私の場合は、検定対策である程度自分で勉強していたので、内容(実習が充実しているか)を最優先で考えました。

420時間という時間数は必須条件なので、自分の性格(短期集中で大丈夫か、長期でコツコツ続けられるか)や、コースの仕組み(授業の振替制度の有無など)を考慮した上で、確実に修了できるかどうかを見極めることもポイントになると思います。

Q:教育能力検定試験のためにどのくらい勉強しましたか?

3回受検しましたが、最初の2回は大体10ヶ月から1週間4-5時間程度、仕事の合間に時間を見つけて勉強しました。通勤電車の中でテキストを読み、うちに帰ってから問題集をやるといった具合でした。

3回目は養成講座修了後の受検です。3ヶ月前ぐらいから本格的に勉強しましたが、就職活動中で時間は余るほどあったので、自分でノートをまとめたり、過去問を解いたり、1日2-3時間は勉強していたと思います。

Q:何回目の受験で合格しましたか?
不合格だった際、何が原因だったと思いますか?

3回目の受検で合格しました。
最初の2回もあと一歩のところで不合格でした。そのときの勉強というのが知識を詰め込むだけのものだったので、学習者のレベルに関する問題や授業内容に関する記述の問題など、教師経験がないとわかりづらい問題で点が取れませんでした。

そういった自分の弱点を養成講座で補えたのが、合格につながったと思います。

この検定は、出題範囲が広い上に、解答を見ても納得がいかない問題もあるので(実際日本語学校が出す解答速報も意見が割れています)、勉強していてイヤになることも多いかもしれません。

そんなときは、同じ勉強をしている者同士で励ましあったり、質問できる先生がいたりすることが大きな力になります。また、日本語教師になった自分をイメージして、楽しく前向きに勉強に取り組むことが大切だと思います。

日本語教師を目指す方に伝えたいこと

現在は日本語教師という形ではありませんが、日本語ボランティアとして留学生たちとの交流を深めています。現場では、養成講座や検定とは関係なく活動をしていらっしゃる方も多数いらっしゃいます。

私は講座を受講して、1年という短い期間ですが実際の現場も経験できたことで、ボランティアとしての活動にも幅ができたように思います。

これから養成講座を受講しようという方も、検定を受検しようという方も、その先自分がどんなことをしたいのか夢をふくらませながら、その夢に沿った形でのスクール選びをしていただけたらと思います。

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