平成12年に中国から日本への観光旅行が解禁されてから9年。これまで団体客のみに発給されていた観光ビザが、今年7月からは裕福な個人客にも許可された。増え続ける中国人観光客は日本の観光シーンを変えるのか。(豊吉広英)
■『ヨドバシ』を『友都八喜』でアピール
中国人観光客が一度は訪れたいスポットの一つとして知られる東京・銀座。すでに同店の中国人観光客の売り上げは、全体の売り上げの数%を占めるまでになった。「百貨店業界として厳しい環境の中、中国人観光客の方々は成長の目玉として期待しています」。業界大手のヨドバシカメラは、中国本土では、あえて自社の漢字表記を変え、来日する中国人にアピールしている。
これから増やそうとする訪日外国人数の実に半分を中国人で賄おうとしているのだ。そして、特に期待がかかっているのが、今後増加が見込まれる観光客だという。
団体ツアー客に加え、今年7月からは個人観光客にもビザが発給されることになったが、年収がおおむね25万元(約350万円)以上の富裕層のみが対象になっており、一般の中国人にはだいぶハードルが高い。中国人観光客のリピーター率を上げ、1年に複数回日本を訪問するような観光客が出てくるだけで、訪日中国人数は相当増加すると思う」
JNTOの担当者は指摘する。
今後予想される中国人観光客の増加については、「不法残留や不法就労を増やさないというのがわれわれのスタンス」と話している。
それが今では、日本が中国のお金を当てにするようになった。この事実に呆然(ぼうぜん)とする」
中国人観光客が日本の経済に大きな影響を及ぼし、無視できない状況になることで、結果的に日本に対する中国の影響力を強めることになると懸念するのは、評論家の金美齢さん。
一方で日本人が日本の良さを忘れ、ないがしろにしているのは皮肉なこと。日本人は、いまこそ日本の良さをもう一度確認し、日本人自身がメード・イン・ジャパンに回帰し、精神的に自立すべきではないか」と主張する。
日本として成長戦略を取るなら、中国人観光客をしたたかに成長戦略の推進力として取り入れ、日本の良さをできるだけ高く評価してもらい、日本を高く売るという姿勢が必要ではないか」